*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
あたりまえですが、無断転載禁止ですよ。
と、コミュニケーションの取れないコメント&宣伝目的のトラクバック&ステマは内容問わず削除させていただきますm(__)m
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大石圭【黒百合の雫 】
黒百合の雫 (幻冬舎アウトロー文庫)
大石 圭 幻冬舎 (2011-12-06)売り上げランキング: 10067


 ますます「好きな作家です」と紹介しずらくなっていく大石圭なのであったww
 どうか、このまま背徳の道を突き進んでいってください。

 女同士の恋人たちの別れの夜の話。
 大石圭だけど、今回はグロはなしです。
 でも、絡みが人によってはグロく感じるかもね。

 女同士であるという特異性はあるけど、そこに重きがあるようで、実はない。
 結局のところ、好きあって一緒に暮らしていても自我を変えることができなかった二人の破綻なのだろう。
 
 物語は、二人それぞれの視点で語られる。
 そうやって二人は、自己の空虚を語っているのだとも思った。

 読後が意外なほどさわやかで、ちょっと驚愕。
 大石圭なのに…ww





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* by * 21:08 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
恩田陸【チョコレートコスモス】
チョコレートコスモス (角川文庫)
恩田 陸 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-06-23)売り上げランキング: 5903


 伝説のプロデューサー芹澤が、新しい舞台のためにオーデションをする。

 作者のあとがきにもありましたが、ほぼ「ガラスの仮面」です。
 特に、芸能界のサラブレッドな、東響子は亜弓さまみたい。
 が、対抗する天才少女飛鳥が、一味違う。
 確かに、常識では考えられない天才っぷりを次々に見せてくれるけど、マヤとは全く違います。

 すごいな、恩田陸。

 「ガラスの仮面」を知っていて、マヤの天才っぷりを見ていても、また別の天才を創造できるってすごいことだと思う。また、亜弓みたいといった東響子だけど、彼女も本質は亜弓とは違う。もっと、地に足がついた、そして、がむしゃらになることをいとわない人で、亜弓とは、自己顕示欲の出方のベクトルが違う。

 ともあれ、「ガラスの仮面」のオーディションシーンのわくわく感を裏切らない。そして、それ以上の芝居の向こう側にあるもの、を見せてくれます。
 
 そう。とても、これ以上ないほど、視覚的なのだ。
 
 シリーズは、3部作になるらしい。
 続きがとにかく楽しみです。






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* by * 21:38 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
司馬遼太郎【花妖譚 】



 花にまつわる幻想小説集。
 
 「司馬遼太郎」になる前、新聞記者時代に本名で書かれていた作品たちだそうで…。

 司馬遼太郎の根底は、<わかりやすさ>なのだなと思った。
 「花神」読んでから、しばらくどっぷりつかっていた司馬遼太郎なのだけど、どの作品でもシンクロできるというか、シンパシーを感じる人物であり、シーンがあった。過去に生きた人たちなのだけど、人間である基礎というものはゆるぎないものであると感じてきた。

 それがようするに<わかりやすさ>なのだろう。

 いや、人としての軸を明確にしている、といえるのかもしれない。

 花が題材なので、妖艶で耽美な短編だ。
 が、そこには赤江瀑のような退廃はない。
 あくまで、健全で健康的だ。
 そう。月下の話であっても、薄曇りの月ではなく、朗々と毅然と明るい月であるのが司馬遼太郎の魅力なのだろう。

 面白かったです。






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* by * 20:52 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
大崎善生【スワンソング】
スワンソング (角川文庫 お 49-6)
大崎 善生
角川書店(角川グループパブリッシング)
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 所詮、恋愛は「エゴ」である。

 3年社内恋愛していた彼女と別れ、アルバイトではいった女の子と付き合い始めた主人公。が、アルバイトの女の子は、精神を病んでいって…。

 救いは、主人公が自分を卑下したり、言い訳したり、誤魔化したりはしてないことだろう。
 が、結局は、この主人公の優柔不断さや頑なさが、二人の女性を不幸にしたとしか思えない。
 人間が生きて行くには、自分の人生を立て直すには、「嘘」だって必要なのだ。が、主人公にはそういう優しさがない。
 
 病んだ恋人に尽くす優しさはある。
 が、だからこそ、結婚するという決断はできない。いや、せめて同棲しただけでも、彼女の気持ちは安定したんじゃないかと思うんだが。
 
 まぁ、ああすればよかったんじゃない、と思うのは、所詮第三者が外から見てるからであって、当事者はどんどん視野が狭くなってにっちもさっちもいかなくなるのだろう。

 うむ。案外、これは恋愛の反面教師的な作品なのかもしれない。
 




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* by * 20:32 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
城山三郎【そうか、もう君はいないのか】
そうか、もう君はいないのか (新潮文庫)
城山 三郎
新潮社
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 方翼を、半身を失うということの切なさに涙した。

 経済小説、歴史小説家の城山三郎の妻との出会いと、別れが、淡々と描かれている。いや、初めてあった妻を「妖精」と書いてたりするので、淡々というのはまた違うのかもしれない。が、やぱり色合いは、淡く、静謐だ。

 彼が、多少の後悔はあるにしても、妻を愛しきったというプライドがそういう色合いにさせているのかもしれない。

 巻末の次女の寄稿がさらに涙を誘う。

 「死は、生の対極にあるのではなく、内在している」というのは、村上春樹の「ノルウェーの森」にあったと記憶している。
 内在しているものだからこそ、それを精一杯受け入れる姿勢こそ、よく言いきるということなのかもしれない。







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* by * 21:01 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
英田サキ【最果ての空】
最果ての空 (shyノベルズ)
英田 サキ 大洋図書 売り上げランキング: 4301


 「エス」シリーズの椎葉の義兄、篠塚の物語。
 憎しみを抱いて生きるということ。それを描ききっているといって、過言はないと思う。

 BLというジャンルゆえにできるであろう、第3者が強引に他者に踏み込んでいくという荒業で描く、篠塚の屈折した恐ろしいまでの執着、という情念。
 ある意味、BLであるのが残念であり、同時にBLだからこそ描けた心情なんだろうと納得する。

 「さびしくない人生などあるのだろうか」
 周りの人に「一人で生き行くのはさびしいだろう」といわれ、篠塚はそう思う。
 どこかで聞いた歌を思い出す。<人は一人分の悲しみを抱え…>と。
 どんなに深い悲しみであろうと、さびしさであろうと、それは一人分でそれ以上でもそれ以下でもない。
 篠塚は結局、それを体現しているのだろう。

 だから、彼はさびしい。悲しい。

 …今、そばにいる人を、大事にしたいと思った。
 そういう切なさがある良作だった。






 
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* by * 20:45 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
折口信夫【折口信夫集 神の嫁―文豪怪談傑作選】
折口信夫集 神の嫁―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)
折口 信夫
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 折口信夫の怪奇をテーマにした短編集。
 とはいえ編者は、東雅夫氏で、未完の作品も多い。なので、帯にあるように「折口文学のエッセンス」だけだといえる。

 釈迢空の歌が好きだし、何よりも「死者の書」が好きなのだ。「死者の書」は、何年かおきに読み返す数冊の中の1冊なのだ。

 あの密度を期待すると、ちょっと肩すかしをくらう。
 が、あの雰囲気を願えば、世界は一変する。もしかして、彼は見えざるものが見えていたのだろうか、そんな人外を感じている空気感に圧倒される。
 
 おしいのは、未完が多いところなんだろう。
 けれど、未完にしてしまったところも、また折口信夫らしいといえばらしいのかもしれない。彼は、画龍点晴なことになるのを恐れたのかもしれない。
 そう思いたい。





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* by * 20:53 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
皆川博子【伯林蝋人形館】
伯林蝋人形館 (文春文庫)
皆川 博子
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 第1次世界大戦後のドイツを舞台にした、幻想小説。

 それまで信じていたもの全てが壊れ、経済も立ち行かなくなった中で、それでも人は、幻想にすがってまで生きていこうとするのか。
 1920年代のドイツは退廃的であったというが、結局それは八方ふさがりの中で逃げ場を求めた所以なのではないか。

 ということを、美麗な文章と確かな構成力で訴えてきます。
 
 主人公は、士官学校出で戦後ジゴロにまで身を落とした青年なのだけど、彼の死にたがってる姿はむしろ、生きようとあがいている姿のようにさえ思える。
 もっと、これは色々に仕掛けがあるので、目の前で見てるものが確かものであるとはいえないのだけどね。

 やっぱり、皆川博子はすごいです。
 なんというか、退廃を描いていても、瑞々しいのがすごい。




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* by * 20:08 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(1) *
大崎善生【タペストリーホワイト】
タペストリーホワイト (文春文庫)
大崎 善生
文藝春秋
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 70年代、内ゲバで姉を亡くした主人公の喪失と再生の物語。

 内ゲバ、それも誤爆で姉を失い、数年後に恋人を同じように内ゲバの誤爆で亡くしたという、なんとも救われようのない話。
 それでも彼女は、自分で立ちなおっていく。
 確かに、周りの助けは多々あった。けれど、結局は人は自分で立ち上がるしかないのである。
 そして、彼女の力の根底にあったのは<愛された>という記憶なのだと思う。最愛の姉、最愛の恋人だったけれど、愛され愛したから、そこに偽りは全くなかったからこそ、彼女は再び立ち上がれたのだと思う。

 愛することに、愛されることに、臆病になるなという物語なのかな、と思った。





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* by * 20:25 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
樋口有介【11月そして12月】
11月そして12月 (中公文庫)
樋口 有介
中央公論新社
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 「少年は少女に出会う」
 それは、宇宙の真理なのかもしれない。

 主人公は、大学を中退してぷらぷらしている男の子(22歳だけと、感触はやはり<男の子>なのだ)
 彼は偶然素敵な女の子(彼女も成人しているけど、主人公の視点で描かれる彼女はやはり<女の子>なのだ)と出会う。と、同じころ、主人公の家族の問題が急浮上してきて…。
 
 すんなり主人公と女の子の話にならないところが、樋口有介らしいのだろう。そして、彼の家の問題が結構ハードなので、まるでそれがメインであるかのような錯覚さえ覚える。
 が、そのトラブルさえもものともしない彼女への思いと、同時に見送ることのできる強さ、その矛盾こそが物語の核であり、主人公の人物造形のすべてなのだろう。

 恋は素晴らしい、けれど、それは人生のすべてではない。そして、全てではないと知ることは、決して敗北ではないのだ。





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* by * 19:45 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
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