*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
あたりまえですが、無断転載禁止ですよ。
と、コミュニケーションの取れないコメント&宣伝目的のトラクバック&ステマは内容問わず削除させていただきますm(__)m
Copyright (C) 2000-2018 檀 All rights reserved.
カズオ・イシグロ【わたしを離さないで】
わたしを離さないで
わたしを離さないで


 特殊な環境で育った特殊な役割を負った子供たちの話。

 解説にもありませすが、へんにストーリーを聞くと、面白さが半減どころか台無しです。

 カズオ・イシグロは「日の名残り」でも思ったんだが、他愛のないところに潜む狂気を淡々と描いている。
 うん、今思い返すと「日の名残り」は結構怖い話なのだ。
 で、これもなんか薄ら怖い話。

 淡々としてるのが、怖い。

 特殊な生まれで、特殊な環境で育ったとしても、どうして彼女たちは打破するという方向にいかないのだろう。
 …これが、教育の力なのだろうか。

 生まれと環境に、プラスされ「教育」という部分があるからこその怖さであり、警鐘なのだろうか。

 にしても、やっぱ、イシグロは上手いね。
 村上春樹より、先にノーベル賞とっちゃうんだろうねぇww

 …と、清水玲子の「輝夜姫」が、がぜん読みたくなったですよ。
 うむ。
 イシグロも、あれぐらいがっつり書き込んで欲しかったなぁ。
 って、書いちゃうとSFになって、それはそれで方向性が違うんだろうけど。

 カテゴリーっていうのは、時に不自由ですな。





JUGEMテーマ:読書


* by * 21:18 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
トルーマン・カポーティ【叶えられた祈り】
(←楽天)【amazon】【bk1】



◆トルーマン・カポーティ「叶えられた祈り」



 「冷血」のカポーティの未完の遺作。
 セレブたちの退廃的な生活を描く。

 *また汚れていない怪獣
 *ケイト・マクロード
 *ラ・コート・バスク

 個々で主人公が違うので、未完の長編というより短編集な感じがする。これらがどうつながって一つになるはずだったのか、読みたいと思う半面、これでよかったようにも感じる。なんか、開けてはいけない扉をあけてしまいそうだ。

 中身は、本当に退廃的。
 つか、これでもかと退廃的。
 醜聞的でもあるし。っても、現代マスコミのスキャンダルを一杯見てる身には、これぐらいで問題になるのか、と思う。昔は、なんであれ上品だったってことで。

 …人間のしたたかさがとても印象的。
 「まだ汚れていない怪獣」のカポーティを思わせる作家志望の青年にしろ、「ケイト・マクロード」の貧しい生まれから結婚を機にセレブの仲間にはいっていく女性にしろ、現状にそのままでいたくないというパワーとそれをなんとしても実行するというしたたかさが、痛い。
 うん、痛いのだ。

 まるで、痛さが生きる証しのような…。
 精神的自傷の物語のように感じる。
 




JUGEMテーマ:読書


* by * 21:45 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
イアン・マキューアン【贖罪】
 
(↑楽天)【amazon】【bk1】



◆イアン・マキューアン「贖罪」

 「アムステルダム (新潮文庫)」「愛の続き (新潮文庫)」のイアン・マキューアンが、描く<世界文学の新たな古典>

 13歳の少女は歳の離れた兄の帰還を待ち、彼を迎えるために劇の用意をする。小説家になることを夢見る彼女には、歳の離れた姉もいる。

 キーラ・ナイトレイ主演の「つぐない」原作です。
 「贖罪」で「つぐない」なので、まぁ、なんとなく筋はわかろうってもんで…。
 が、イアン・マキューアンなので、一筋縄ではいかないのです。
 上巻の一向に話が進まないジレンマも、ふっとびました。

 にしても、イアン・マキューアンってどういう小説家なんだろう。
 安楽死を扱った「アムステルダム」にしろ、ストーカーの話である「愛の続き」にしろ、人のはかなさを描いているように思う。が、ただ儚いだけではない。その儚さによりそうようになる邪悪さや、歪みまで、無垢に描いている。
 そう、ポイントは無垢なのだ。
 「贖罪」の主人公は、13歳の少女ブライオニーだ。彼女の感受性や無垢に裏打ちされた奔放さは、水面に反射する光のように眩しく一時もじっとしてはいない。
 が、その水面の下には、暗い水がある。
 ふいに、それを気付かされ、たじろいでしまうのだ。
 
 うん、マキューアンを読んでいてこの「たじろぐ」感じって共通しているなと思う。
 上手く説明できないけど、多分、マキューアンのいいのは、この説明できないもどかしい感じなんだと思う。

 おすすめです。







JUGEMテーマ:読書


* by * 20:58 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
ベルンハルト・シュリンク【逃げてゆく愛】

(↑楽天) 【BK1】 【amazon】

◆B・シュリンク「逃げてゆく愛」

 「朗読者」のB・シュリンクの短編集。
 *もう一人の男
 *脱線
 *少女とトカゲ
 *甘豌豆(あまえんどう)
 *割礼
 *息子
 *ガソリンスタンドの女

 妻の死後、妻宛に男から手紙が届く「もう一人の男」など、ここにあるのは喪失の物語りだ。人は、生きている間に何かを得ると同時に、失ってもいく。失っていくのも、突然ではなく、砂時計の砂が零れ落ちるように、知らない間に少しずつ失っているのだ。
 シュリンクの小説の通奏低音のあるのは、そういった喪失だ。
 男女の話を描いているようだが、実際には主人公一人の物語りになる。そこに他者はいない。他者は、自分を映す鏡のように存在している。
 そしてやってくる喪失。
 喪失とは、目の前にある他者をいう鏡を失うことなのだろうか。
 
 「もう一人の男」と「ガソリンスタンドの女」がいい。
 人は失ったあと、空白になにを見出すのだろうか。空白は、闇なのだろうか。それとも…。
 シュリンクは、それを問いかけてくる。
* by * 16:24 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
カズオ・イシグロ【日の名残り】
オンライン書店ビーケーワン:日の名残り
【BK1】     【amazon】

◆「日の名残り」

 イギリスの名家に勤める執事、スティーブンが元同僚と会うために旅にでる。その間、思いをめぐらせる。

 伝統的なイギリスと本の裏にあるが、その通り。
 でもって、この主人公が執事としては優秀なのかもしれないが、人間としては面白みがさっぱりない。さっぱりないんだけど、だんだんシンパシーを感じてくる。
 カズオ・イシグロ、上手い!
 「品性」という言葉がポイントのように出てくる。品性が失われた時代に、あえてこれを問うという、手法は古めかしいが切り口は斬新なのである。
 つまり、古い皮袋にいれた新しいぶどう酒か…。

 村上春樹が、「わたしを離さないで」を絶賛していたのが、納得。
 さっさと、文庫になってくれるといいんだがな。

* by * 22:28 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
カルロス・ルイス・サフォン【風の影】
風の影〈上〉
【amazon】    【BK1】
風の影〈下〉
【amazon】     【BK1】

◆「風の影」

 少し前に、新聞のした半分を使った広告がでていた。
 ここまで大きく宣伝するのって、どうなんだろうと興味で買った。

 大当たりでした。

 実に面白い。スペインの複雑な時代背景をしっかりふまえながら、青春文学にしっかりなっているし、作中物語みたいになってくる幻の本の作家の話も、スパイスが効いている。
 元々、ジュブナイルを書いていた作家というせいか、文章そのものが読みやすいのがもっといいかも。

 これは読まないと、損だよ。
* by * 22:51 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
ローレンス・ノーフォーク【ジョン・ランプリエールの辞書】
ジョン・ランプリエールの辞書 (上)
【amazon】     【BK1】


ジョン・ランプリエールの辞書 (下)
【amazon】     【BK1】

『ジョン・ランプリエールの辞書』

 ギリシャ神話をなぞったように殺された父。その死をきっかけに息子ジョンの前に祖先の残した謎、そして危険が迫ってくる。

 ジョン・ランプリエールは、古典学者で固有名詞辞書を編纂した実在の人なんだそうで…。
 ギリシャ神話のなぞりが多いので、ランプリエールを主人公にしたんだろうけど、でもあんまり必然性がない。まあ、この一度聞いたら忘れられない苗字は、オイシイんだろうな。
 ジャンルでいうと、バロック歴史小説。18世紀のロンドンが好きな人には、垂涎の小説かも。

 で、……。
 前半面白いです。途中から、うーーーーーってww
 が、ラストに向かってくるあたりから、がぜん面白くなります。もうこのラストのために、今まで我慢(<おい)してたのね、って感じ。
 ノーフォークは長編の人ではないのかもね。と思ったので、短編を読みたいなと探してみたけど、どうやら文庫かしそうにないので、まだまだ読めそうにありません。
 次回は「教皇の犀」で、ずっしりとした歴史小説みたい。
 主人公が、魅力的ならいいんだけどねぇ。
* by * 22:46 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
ケリー・ジョーンズ【七番目のユニコーン】
七番目のユニコーン
【amazon】     【BK1】

◆「七番目のユニコーン」

 中世のタペストリー「貴婦人とユニコーン」のシリーズに幻の7枚目があった。
 という仮想をもとに、それを追う美術館学芸員と画家になろうとパリに出てきた青年の恋が交錯する。
 学芸員の彼女と青年はかつて美大で一緒に学んだ仲。恋人同士だったのだけど、お金持ちの同級生が割り込んできて彼女はその人と結婚する。でも、その後未亡人になり子供を抱えて働いている。青年は、アメリカで美術を教えていたのだけど、それに行き詰まり、婚約者がいるけどその関係にも行き詰ってパリに来ている。
 一応、大人の恋、って感じですか。
 どうやらこれが、ケリー・ジョーンズの処女作だそうで、ところどころ一人よがりだな、不親切だな、と思う部分もあるけど、タペストリーに対する情熱はすごく伝わってくる。
 でも、次作は……題材によるかなww
* by * 12:49 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
グレイス・ベリー【最後の瞬間のすごく大きな変化】
最後の瞬間のすごく大きな変化
◆「最後の瞬間のすごく大きな変化」

 3冊の短編集しか出してないけど、とっても大御所らしいアメリカの女流作家。
 春樹は、好きらしいんだけどね。
 彼女自身をモデルにしているような短編や、伝聞から話を膨らませていったような都会の話と、大雑把に二つの流れに分けられる。
 うーーん。
 確かに、表現とか手法とか上手いと思うんだけど、カーヴァーのように胸にしみてくるような感覚はない。もしかしたら、そういうところがクールでいいのかもしれないけど、どうもそこまで読み込むことが出来なかったように思う。
 アホで、すみません(苦笑)
* by * 20:55 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
イアン・マーキュアン【愛の続き】
愛の続き
◆「愛の続き」

 「アムステルダム」のイアン・マーキュアン。
 「アムステルダム」はいまいちだと思ってたくせに、これを買ったということは、実際にはよかったのかもしれない<をい
 これから順次文庫化されると思うんだが、楽しみ。

 で、気球からの落下事故を目撃したカップルと、男。その男が、カップルの男性(主人公)に一方的な恋愛感情を持つ。それによって、カップルもぎくしゃくしだして…。
 って書くと、軽そうだが、マーキュアンなので深くまで掘り下げていく。いや、掘り下げていくという言葉だとニュアンスが違うな。なんていうか、沈んでいくというか、薄布をめくっていくというか、そんな感じ。
 ストーカーもの(これでの症状はド・クレランボー症候群)って、どう説明しても相手に全然わかってもらえないもどかしさや、不毛感、嫌悪感が、嫌なんだが、これは切なさが先にきたな。
 「アムステルダム」より、よかったです。
* by * 21:04 * 文学ww翻訳 * comments(0) * trackbacks(0) *
***
Google




芭蕉を偲びて ←いちおしです。
friends
**Ciel Bleu**
最強読書サイトです。

にほんブログ村 本ブログへ



Search
Material by web*citron
<< * TOP * >>
New Entry
Recent Trackback
Recent Comment
Link
Category
Archive
Calendar
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>
Profile
Others

<< * TOP * >>