2017.12.28 Thursday 津原泰水【11 eleven 】
幻想短編集というべきか。 誰も、孤独をかかえ、ひっそりとでも大事に生きようとしている。それなのに、誤ったり踏み外したり、翻弄される。それが人間ってものだからな。 娘を亡くした父親の戸惑いと、悲しみが、「延長コード」の重さに象徴されている。感情をほとんど出してないのに、延長コードが切なく表している。 グレードデンに魅入られて、救われると同時に、結局は救われない女の話「クラーケン」 何かに依存することは、弱さだ。だがそれがどうしても必要な時もある。そして、それだけで救われないことも多々ある。 弱さと儚さと孤独と、そういうものの中に美しい瞬間は存在するのだろう。 美しい物語だった。 そして、悲しい話達だった。 JUGEMテーマ:読書 |