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カズオ・イシグロ【夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語】
夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)
カズオ イシグロ Kazuo Ishiguro 早川書房 売り上げランキング: 1570


 カズオ・イシグロの短編集。
 どれも<音楽>が関わってます。
 そして、物語はピンボールのようにそれぞれがつながっていきます。

 「夜想曲」が圧巻。
 整形するために、高級ホテルに滞在していたサックス奏者が、同じ理由で隣室に滞在していた有名ミュージシャンの元妻と知り合いになる。
 お互い、顔に包帯をまいてる状態で、ホテルの中という小さな世界で、二人は次々に冒険をする。
 少年少女のような、無垢がそこにある。

 が、それは<顔>というものがないから成立したことなのだろう。

 そして、そのことを二人は確実に知っている。
 そのことが、やるせない気持ちになるのである。

 うむ。どれも、切ない物語だった。

 「チェリスト」は、結局のところイシグロにとって<音楽>は、崇高なものでも救いでも何でもない、ただそこに存在するものであるという現れなのかもしれない。
 「わたしを離さないで」でも、音楽は大事な要素としてでてくる。が、そこに必然はない。主人公は、切実に音楽を求めているわけではない。
 「チェリスト」に出てくる大家は、結局何もなさなかった人なのだ。私は、そこにむしろ憎しみを覚える。
 <自分の才能を守らなければならない>と、教師を拒否して、ようするに何もやってこなかった彼女。
 それは、いわば音楽の否定に他ならないと思う。

 音楽を音楽たらしめるのに、テクニックは不可欠だ。
 その部分を完全否定して語る音楽は、所詮、絵空事でしかない。
 
 イシグロが描きたかったのは、むしろこの絵空事に気づかないで、小さい世界に閉じこもっていく彼女の哀れさだたのかもしれない。

 だとすれは、随分皮肉な話だ。

 音楽をテーマに描く話のほとんどは、音楽に対する強烈な愛情が根底にある。
 が、イシグロはその対極あるといっていいだろう。
 音楽への愛を叫ばない、音楽の短編集として、確かに新しい岸辺を臨んでいると思う。








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