*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
あたりまえですが、無断転載禁止ですよ。
と、コミュニケーションの取れないコメント&宣伝目的のトラクバック&ステマは内容問わず削除させていただきますm(__)m
Copyright (C) 2000-2018 檀 All rights reserved.
<< 斉藤美奈子【麗しき男性誌】 * TOP * エドガー・アラン・ポー【エドガー・アラン・ポー短篇集】 >>
たら本36回「少女の物語」


 本のたらいまわし企画、略して「たら本」
 今回の主催様はBOOKS AND DAYのnineさんです

 少女って特別な存在感を持っていると思います。透明感、美しさ、可憐さから、コンプレックス、頑なさ、意地、思いこみなどなど、プラスもマイナスも少女というカタチに内包されると独特の輝きを増す。と思います。
謎めいた美少女も素敵ですが、コンプレックスまみれの普通の(いやそれより劣っていようが!)少女も素敵なんです。  


 ってことで、吉田秋生「吉祥天女」
吉祥天女 (1) (小学館文庫) 吉祥天女 (2) (小学館文庫)

 最近、鈴木杏ちゃん主演で映画化されました。少女の美しさ、残忍さ、潔さ、全てが濃くはいってます。
 男にナイフをつきつけられて「顔だけはやめて」と懇願したあと、その男の耳を切り落とし「女は血なんか怖くないの。毎月血を流してるのだから」と笑う小夜子。これほど完璧な<少女>はいない。

 ジョナサン・キャロル「蜂の巣にキス」そして渡辺淳一の「阿寒に果つ」も、あまりに美しく奔放だったゆえに、若くして命を落としてしまう少女の話。
 そして、両作とも後に男友達がその死の理由を尋ねるんだけど…男性ってこういうところがへんにセンチメンタルっすねと毎度思います。ま、この辺りが女性は現実的といわれる所以なのかもしれないけど。

 ジョナサン・ケラーマンの「少女ホリーの埋れた怒り」は、上記の作品たちと違って、美しくもなく賢くもない少女の話。
 地味でほとんど引きこもっていたような少女が突然小学校でテロ事件を起す。少女は即座に射殺されたのだが、臨床心理医のアレックスは少女に何があったのかを調べ始める。
 無知だったけれど、純粋だったゆえに、大人に利用されてしまったホリー。切なすぎます。

 切ない少女といえば、大崎善生の「ドナウよ、静かに流れよ」

ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫)

 19歳でドナウに投身自殺した少女のノンフィクション。
 明るく活発だった少女が、留学先で精神を病んだ男と知り合い、次第に転がり落ちていく。そのさまが切ないです。
 その男と知り合わなければ、今も彼女は元気に生きていたのかもしれない。
 …いや、彼女の中にその男と引き合う暗黒があって、その男と知り合わなくても、いつか別の同じような男に引かれていったのかもしれない…。
 
 最後に、小野不由美十二国記「風の万里 黎明の空」を。
 異世界に引き戻された陽子が、成長し王となる物語。 
 「他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ安心できない者のことなど、私は知らない」(中略)
 「真実、相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときには、自然に頭が下がるものなのだ。礼は心の中にあるものを表すためのもので、形によって心を量るためのものではないだろう。礼の名のもとに他者に礼拝を押しつけることは、他者の頭に上に足を載せて、地になすりつける行為のように感じる」

 これは名言です。
 政治家とか、世のエラソーにやってるヤツとか、読め!!って思います。
 でも、これはある意味、少女だから言えた言葉かもね。

* by * 21:01 * たら本 * comments(10) * trackbacks(6) *
スポンサーサイト
* by スポンサードリンク * 21:01 * - * - * - *
>椿子さん
TB、調子悪くてすみません。
一体どーなってるのやら。

「吉祥天女」いいでしょ。
少女だったから、美しかったから、それゆえの悲劇。もうこれ以上のものはないって感じです。
映画……鈴木杏ちゃんは演技力もあるし、綺麗なんだけど、小夜子ってイメージじゃないんですよね。それが、とにかく心配ww

大崎善生は、意外なほど面白いですよ。でもって、フィクションが面白いと、ノンフィクションはねぇとか、その反対とかは多いんだけど、両方しっかり面白い人はあまりいないんじゃないかな。
ぜひぜひ、読んでみてくださいm(__)m
* 檀 * 2007/08/16 9:11 AM *

こんばんは。

TBちょっとこちらのblogの調子悪くてできませんでした。すみません。

吉祥天女、
この前購入して読んだところです。これ本当にぞくぞくしますよね。と同時に小夜子がかわいそうだなあと思ったりもしました。映画のほうも見てみたいです。

ドナウよ、静かに流れよ、面白そうですね。
図書館で探してみます。
たら本に参加すると、読みたい本が一杯になって嬉しいです。
* 椿子 * 2007/08/12 9:02 PM *

>overQさん
よかったでしょ「ドナウよ静かに流よ」
ホント、一体どこに流れるのか作者も、読者もわからないまま、でもどこかにたどり着いた気がする、そんな不思議な本。
「二十歳の原点」ぐらいにもっともっと読まれてもいい本だと私は思ってるんですけどねww
* 檀 * 2007/08/09 8:15 PM *

「ドナウよ、静かに流れよ」読んでみました!

不思議な偶然で、この事件に引き寄せられていく発端から、スリリングで惹きこまれました。
調べていくにつれ、「事実」のもつ重みや熱、逆に軽さや冷たさも伝わってきて、
やがて、なんとも感想の述べようのない場所まで到達する。

作者当人もたぶん、どんな風景が広がっていくことになるのか、見当もつかないまま動いているんでしょうね。
そこに生まれる迫真性がすごいです。
いわく言いがたいものとしての「事実」、その存在感に圧倒される感じ。

日実さん千葉さんが亡くなったのは、ちょうど今頃の時期。
2001年8月だから、911の同時多発テロは、まだ起きてない。
本の中で、さまざまな偶然の糸が、目に見えない形でつながっている様子が示されたけれど、
本の外側でも奇妙なつながりが広がっているのかもしれません。
そんなことを思いました。
* overQ * 2007/08/07 8:41 PM *

>ざれこさん
こんにちは。

そうなんですよね、吉田秋生の絵でさらに怖い、吉祥天女。
吉田秋生の絵って、そんなに美少女美少女してないのに、絵のオーラで絶世の美女に見せてるところがかえって怖いんですよ。
…映画、鈴木杏ちゃんだったみたいなんですが…見るのが不安でww 杏ちゃんは絶世の美女っつーのとは違うと思うんですけどね。

大崎善生はノンフィクション、何作も出してますよ。将棋がらみですが。
小説のように淡々としたノンフィクションなので(でも作者の我がしっかりでている)一般的なノンフィクションとは、ちょっと違うかもしれない。
おすすめです。
* 檀 * 2007/08/06 5:04 PM *

>nineさん
はじめまして。

殊晶、確かに少女だけど少女じゃないですよね。
でも、彼女の潔さは、やっぱり少女のものである気がします。

「ドナウ…」も「少女ホリー…」もいいですよ。
でも、ホリーは手に入りにくいかも。絶版になってるみたいなので、古本屋か図書館あたってみてくださいm(__)m
* 檀 * 2007/08/06 4:59 PM *

こんばんは。TBありがとうございました。
ちょうど「吉祥天女」再読したところでした。叶小夜子は私の理想とするなまめかしい少女代表ですね。健全な由以子との対比も見事でした。吉田さんの絵がまたぞくぞくするのですよね・・・!

「ドナウよ、静かに流れよ」、こちらの記事でとても気になりました。著者のイメージから恋愛小説と勝手に思ってたのですが、ノンフィクションだったんですね。危うく読み逃すところでした。ありがとうございます。
* ざれこ * 2007/08/06 12:54 AM *

こんにちはー。
たら本に参加してくださってありがとうございます。
十二国記!おお。これも少女の物語ですね。わたしは殊晶が大好きなのですが、このころの殊晶は外見しか少女じゃないですね。そういや。

「ドナウよ、静かに流れよ」と「少女ホリーの埋もれた怒り」も気になります。
「ドナウ〜」の少女の運命は恐ろしくもありますが、読んでみたいです。
「少女ホリー」も同じく!

そして「吉祥天女」の小夜子の魔性度にドキドキです。以前読んだことがあるはずなのに、記憶が・・・・・・(汗)
再読してみなくては!
* nine * 2007/08/05 12:03 PM *

>ninnyさん
ようこそおいで下さいましたm(__)m
TB、不調で申し訳ないです。

ケラーマン、いいですよ。
主人公は小児専門の臨床心理医で、患者のために、命も体もはってます。守秘義務を守る姿勢も半端じゃないです。
もっと読まれていい作家だと思うんだけど(妻のフェイ・ケラーマンもふくめて)なんか、いまいちなんですよね。
「12国記」続き書いてくれるんでしょうかね。もっともっと書いて欲しいんだけど、せめて泰麒をなんとかしてやって欲しいです。もう、切実に。
って、少女から離れて行ってるなww
* 檀 * 2007/08/05 8:56 AM *

初めましてこんにちは。TBいただきありがとうございました。
TB企画なのに、なぜかブログの調子が悪くてpingを飛ばせないためやってまいりました。

ジョナサン・ケラーマンの本、面白そう。可愛いだけじゃない少女の心の内って、気になります。
そして『十二国記』!最初から読んでいると、陽子の成長がどうしても嬉しくなってしまいますね。続きが早く読みたいものです。
* ninny * 2007/08/04 12:08 PM *










http://m-books.jugem.jp/trackback/1018
たらいまわし本のTB企画第36回 『 少女の物語 』
たらいまわし本のTB企画第36回のお題は『少女の物語』です。 BOOKS AND DAYS の nineさん が主催して下さってます。 nineさん、素敵なお題をどうも有り難うございます。 はっきし言って、私も…とっても趣味のお題ですー。これは是非とも参加させてもらわなくては
* ワルツの「うたかた日記」 * 2007/08/15 2:36 PM *
たら本36、「少女の物語」
カワイイ、萌え、ニッポン 少女漫画、少女小説、少女歌劇、少女バンド… いつの頃か...
* AZ::Blog はんなりと、あずき色☆ * 2007/08/07 8:22 PM *
たらいまわしTB企画第36回「少女の物語」
久しぶりに参加のたら本です。今回は「少女の物語」 今回のお当番はBOOKS AND DAYSのnineさんです。 少女って特別な存在感を持っていると思います。透明感、美しさ、可憐さから、コンプレックス、頑なさ、意地、思いこみなどなど、プラスもマイナスも少女という
* 本を読む女。改訂版 * 2007/08/06 12:38 AM *
たら本第36回 「少女の物語」
毎回変わる主催者から決められたお題にそった記事を書いてトラックバックする「たらい...
* ほんの保管所 * 2007/08/03 9:34 PM *
たら本第36回 少女の物語
たらいまわし本のTB企画第36回のお題は「少女の物語」です。 にゃほーいっ。可憐なバナーをありがとうございまっすww>overQさん 少女って特別な存在感を持っていると思います。透明感、美しさ、可憐さから、コ
* BOOKS AND DAYS * 2007/08/03 6:43 AM *
たらいまわし企画・第36回「少女の物語」
今回のたらいまわしの主催は、BOOKS AND DAYのnineさんです。お題は、「少女の物語」。 少女って特別な存在感を持っていると思います。透明感、美しさ、...
* Ciel Bleu * 2007/08/03 5:24 AM *
***
Google




芭蕉を偲びて ←いちおしです。
friends
**Ciel Bleu**
最強読書サイトです。

にほんブログ村 本ブログへ



Search
Material by web*citron
* TOP *
New Entry
Recent Trackback
Recent Comment
Link
Category
Archive
Calendar
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>
Profile
Others

* TOP *