*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
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冲方丁【十二人の死にたい子どもたち】
十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)
冲方 丁 文藝春秋 (2018-10-06)売り上げランキング: 5,236


 自殺をするために、廃病院に集まった12人。
 そこには、予定外の一人の遺体があった。

 12人の〜 といえば、映画「12人の怒れる男」なんだろうなと思うし、それに対するリスペクトみたいなのも色々感じた。と、同時に、映画を見終わった時に、なんともいやな感じを思い出した。なんか、偏見で判決を下そうとする陪審員たちにちゃんと考えることを促して、正しいところにもっていくって話なんだけど、本当にそうなのかなって思っていた。多分、映画がつくられたころの価値観であればそれでいいのだ。正しいか正しくないか、その二択しかないから。
 でも、今日の価値観からすれば、無罪にもっていこうとする主人公のやり方も洗脳にちかいよね、って思ったりするのである。

 で、話しがそれているみただけど、「死にたい子どもたち」はそのあたりへのカタルシスがある。
 価値観は個々で違う。だからこそ、正しさも様々なのだ。

 ちょっと設定が無理矢理かなって思わないでもない。
 映画化したけど、むしろ舞台むきじゃないかなとも思う。
 
 ともあれ、思春期って面倒くさい。

 と、10代ではあるけれど、もう「子供」とは言えない登場人物たちを「子ども」としたのは、すごいと思う。
 自分たちが何もしらず、自分ひとりだけの足で立てているわけではないと、だからまだ「子ども」なのだと、自覚する物語であったのかもしれない。

 面白かった。






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* by * 17:23 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
村上春樹【女のいない男たち】
女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)
村上 春樹 文藝春秋 (2016-10-07)売り上げランキング: 14,497


 村上春樹の短編集。

 それぞれに特定の女性がいない男たちの話。
 なんだけど、反すればそれぞれに自立した女の話かもしれない。

 家福の妻、癌でなくなった、そして浮気をしていた、彼女は夫に依存はしていなかった。病気で失うという事実の上に、浮気という、まるで彼女の人生に自分が必要ではなかったような空白。それは、彼は運転手の女性の不幸ともいえる生い立ちを聞き、さらにぽっかりと空いてしまう。

 やってきて、一つづつ話をして帰るというシェヘラザードの語るストーカーというか、ほぼ犯罪の話もだからどうなるというものではない。なぜなら、それは彼女の中だけで完結しているからだ。

 「木野」が一番好き。
 あの、つかみどころのない空虚さが、多分私の好きな村上春樹なんだろう。
 ちょっと怖いけどね。

 と、やっぱり文章が上手いなと思う。
 高校の文芸部の顧問が「小説は文体」と口癖のように言っていたけれど、まさにそれだなと思う。
 うん、風雪によってさらに磨かれたように感じる。

 今度こそ、北欧の文学賞がとれるといいなぁ。





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* by * 17:07 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
樋口有介【亀と観覧車】
亀と観覧車 (中公文庫)
樋口 有介 中央公論新社 (2018-08-21)売り上げランキング: 125,766


 夜間高校に通う女の子が、とある「クラブ」で初老の小説家の男と出会う。

 女の子主観の話なので、まるでシンデレラストーリーなのだが…。
 父はけがで働けない、母はうつ病ででもパチンコにはいっていて、生活保護をうけていて、そんなどん底にいても彼女は純粋で、というのが多分オッサンの理想なんだろう。
 うん。
 むしろ、これはオッサンの理想の話なのだ。

 理想なので、彼女はだた自分の運命を嘆いているだけではない。行動をおこす。ただ、行動にはお金がいる。都合よく小説家の男は金をもっているのである。
 とはいえ、彼女は純粋に男にひかれていくのだけど。
 
 うーん。
 ファザコンがあるのかと思ったりしたが、そういうのでもないみたい。つか、オッサンの理想なので、多分それはNGなのだろう。
 
 彼女はまるで結婚式のスピーチの3つの袋的な感じに、がっつりつかまれていくのである。
 と、シンデレラみたいにふわふわと流されていくのだけど、やっぱりオッサンの理想だよね、と思うのである。

 一瞬、それが全部打ち砕かれるか、と思ったけど、オッサンの理想は手ごわい。
 結局、夢見るオッサンの理想から、究極の理想にシフトアップして終わるのである。

 あ、今回のタイトルは秀逸。
 どう秀逸かは、ネタバレになるのでひかえますww










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* by * 16:18 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
宮下奈都【羊と鋼の森】
羊と鋼の森 (文春文庫)


 高校の時、体育館のピアノの調律を見て、調律師を目指した青年の話。

 憧れの調律師のいる会社にはいって、個性的な先輩に囲まれて、彼はゆるやかに成長していく。
 この伸びやかさが、この小説の最大の魅力なのだと思う。
 彼は、自分が才能があるわけでも音楽的素養があるわけでもないと、わかっている。だから、誰の言葉も素直に受け止めて、自分の中できちんと理解しようとする。素直だから、伸びる。
 それを、彼の育った北海道の山中の集落の自然と重ねて、描いているのが秀逸なのだ。

 羊と、鋼、がタイトルとして目にいくけれど、一番大事だったのは、森なんじゃないかと思う。
 そこは、命を感性を育てる場所なのだ。

 色々名言があるけれど、やはり双子の「ピアノを食べて生きていくんだよ」につきると思う。

 彼も、先輩たちも双子たちも、結局は<選ばれた>のだと思う。
 ピアノに、選ばれたから、ここにいる。
 多分、音楽というものはそういうものなのだ。
 だから<神>に近しい。

 うちのピアノの調律が、すごく待ち遠しくなったよ。








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* by * 22:27 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
恩田陸【蜜蜂と遠雷】
蜜蜂と遠雷
蜜蜂と遠雷
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恩田 陸 幻冬舎 (2016-09-23)売り上げランキング: 69


 NHKのドラマ「六番目の小夜子」を見て、原作買った以来の恩田陸ファンである。
 が、「六番目の小夜子」は単行本で買ったけど、あとは文庫本ばっかりで、恩田氏に申し訳ないファンなのである。
 が、しかし、この度めでたく<直木賞>を受賞されたので、単行本を買った。
 (某ネット書店、最初注文したら7〜12日かかるになって、そのあと<キャンセル>って連絡がきた。がその日にそのネット書店みたら24時間発送になっていた。解せん。が、しかし、割引クーポンがあったから注文しなおして買ったんだけどさぁ)

 で、ピアノコンクールを舞台にした、群像劇。
 うん。天才肌の3人が主人公っぽいけど(特にタイトルの所以であろう16歳の天然少年とか)やっぱり群像劇なのだと思う。ゆえに、ちょい薄い。
 広く浅くになった感がいなめない。
 まぁ、それはそれで仕方ないというか、それ以上深くなるともう物語として成立しないと思う。
 そういう意味では、ぎりぎりのバランスで成り立っているとも思うのである。

 で、以前、某ピアニストを探偵役にしたミステリーを<るるぶ>のようだと書いたことがあるけど、まさに対極。
音楽は理屈じゃない感性であると、全力で訴えてくる。
 共感できる部分も多かったけど、それって私がピアノをやってきてるからだからじゃないのかな、っていう不安はある。つまり、一般には不変ではないのかもしれない。
 ともあれ、妙なところで自分自身を振り返る小説だった。

 なんか、続編とかありそうなんだけど…。
 塵くんは、あっさりピアノやめてそうなんだよね。もしくは、夭逝しちゃうとか。
 でもって音楽界で「風間塵以前、以後」なんて区分されてしまったりするのかもしれない。
 そうなりそうな気配で、彼はギフトじゃなくて厄災なんじゃないかなと、私は思った。

 と、練習しなきゃ、って思いましたww
 も、それだけでこれは小説としてものすごいことになってるよね。






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* by * 21:07 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
大石圭【薔薇の足枷 】
薔薇の足枷 (幻冬舎アウトロー文庫)
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 教職を失った男は、かつての恋人と再会して…。

 って、相手も男なんだけどね。
 が、大石圭氏なので、その男も細くて女性見たいなんだけどね。
 女性にしろ、男性にしろ、<受け>に対する好みがここまで徹底してるところに、むしろ潔さを感じたよww

 で、お互い世をはかなんでいて…。
 なんだけど、元教員の男のアホというか身勝手というかそういうのが、元教え子の闇が明らかになると際立ってくる。なので、最後の最後にそれはないだろうと思うのである。
 元教員のせいで最後の最後まで、彼は自由になれないのだろう。
 自由になるために人を利用しようとした、その対価としてはあまりにも哀れだと思う。

 …しかし、最近ちょっと、ん、なので大石氏、過渡期なんすかね?






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* by * 22:21 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
大石圭【赦されたい】
赦されたい (幻冬舎アウトロー文庫)
大石 圭 幻冬舎 (2012-12-06)売り上げランキング: 48,032



 離婚後、娼婦をしていた主人公は、末期ガンになる。ホスピスで死を前に、彼女は赦されたいを願う。

 大石圭なので、でもって娼婦してたって設定なので、彼女が回想するのは短い結婚生活と客とのやりとりなのである。
 まぁ、それはおいといて…。
 普通にストーリー的には、カタルシスがあるべき話だと思うのだけど、なんかそれがないんだよね。
 最後に、…なんだけど、それができすぎていて最後の最後にひねりがあるのかと思ったぐらいだ。

 結局、彼女は最後まで自分の美貌だけが好きで、自分自身は好きじゃなかったんだろうな。
 そして、誰のことも好きじゃなかったんだろう。
 自分がやってきたことを、否定しつつも、彼女はどこまでも自己肯定する。後悔はあっても、反省はない。だから成長もない。

 堕落を防ぐのは知性、って昔誰かがいってたけど、それって本当だなって思ったのである。

 とはいえ、このやるせなさ、反省のなさが、大石圭の魅力だと思うんだ。








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* by * 21:20 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
三好達治【三好達治詩集】
三好達治詩集 (岩波文庫 緑 82-1)
三好 達治 岩波書店 売り上げランキング: 292635


 岩波の三好達治詩集が、やっぱりベストなのである。

 ずーーーーーーと大事にしてたのに、ダーリンが部屋を片付けた時にどっかにやってしまった。
 仕方ないので、某出版社のを買ってみたんだが、これがなぁ…。
 したら、某の中古で出てて、ゲット。
 
 心の平安もゲットしたよww

 と、やたらもう盲目的に思い入れのある三好達治詩集なのだ。

 韻を踏み、文語調で、耽美と言われている三好達治なんだけど、実際の切り口はすごくクールだと感じる。
 不倫の末一緒なってというすったもんだの頃の「花筐」にしたって、恋におぼれているようでそれを客観的に見ている冷めた目が常にある。まぁ、だから結局彼女とも別れることになっちゃたんだろうなと推察したりするのである。
 つか、どういう状況だろうが溺れきれない、酔いきれない、その強さと弱さが、魅力なんだろうなと。

 





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* by * 10:11 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
恩田陸【六月の夜と昼のあわいに】
六月の夜と昼のあわいに (朝日文庫)
恩田陸 朝日新聞出版 (2012-09-07)売り上げランキング: 7188


 絵と詩と、恩田陸の短編のコラボ。

 綺麗な短編集の本って感じだけど、中が結構シュールかも。
 と、新聞のインタビューで、恩田陸が<少年ドラマシリーズ>のことを語ってたんだけど、やっぱりな、っていうか、この本全体がそういう感じ。

 なんで、なんか理由のない懐かしさに満ちている。

 「コンパーメント」が芥川の「藪の中」っぽくて面白かったな。
  
 にしても、人生は、そして子供時代って、無意味に理不尽なものなんだよねって思う。
 理不尽に、「仕方ない、そういうもんさ」って思うようになるってことが、大人になることって思ってしまうのは、すごく嫌なんだけど、多分そういうことなんだろうな。






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* by * 22:08 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
恩田陸【ブラザー・サン シスター・ムーン】
ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)
恩田 陸 河出書房新社 (2012-05-08)売り上げランキング: 12825


 高校の同級生3人がそれぞれの大学時代を振り返る話。

 この3人、接点はあるんだけど、話の上では接点がない。
 存在しているけど、していないような、不思議なありようなのだ。

 そして、3人に共通する高校時代の思い出。
 たわいのないような思い出なんだけど、それぞれがそれを理由もないままに、大事にしている。

 人間、生きて行く為に必要な「ささやかだけど大切なこと」があるんだよね。
 
 うん。
 これは、そーいうお話だったのだと思う。
 


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* by * 21:35 * 文学ww邦人 * comments(0) * trackbacks(0) *
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