*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
あたりまえですが、無断転載禁止ですよ。
と、コミュニケーションの取れないコメント&宣伝目的のトラクバック&ステマは内容問わず削除させていただきますm(__)m
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キャロル・オコンネル【生贄の木】
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 マロリーシリーズ。
 
 前作で、がっつり職場放棄をやらかしたマロリーは署内で微妙な位置にいるのだけど、まぁ、そんな風に思っているのは周りだけで、本人はまったく気にしてないというか、いつも通りで毎度ながら強い。
 唯一繊細なキャラ、チャールズは右往左往してるんだけどね。
 それに対して、もう完全に開き直ったって感じなっているライカーがへんにいけてる。素敵オジサマになってるよww

 森の中で袋に入れられて木につるされていた3人。
 唯一の目撃者は、ウィリアムズ症候群の少女だった。
 
 子供だろうが、まったく躊躇しないマロリーなので繊細なチャールズと対立するのだが、当の少女はマロリーにめっちゃ懐いてしまう。一番守ってくれる人をチョイスするのは、子供の生きるための本能なんでしょうかね。

 被害者3人に共通点はなく、捜査は難航する。
 
 話は、陰謀とか過去とか、どんどん拡大していくのだけど、最終的には子供のところに集結する。
 大人は、子供がよりよく生きるために力を尽くす義務や責任がある。
 それぞれ立場や価値観や方法が違っていてもだ。
 それを間違ってしまった人と、揺るがない人の話だったように思う。






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* by * 10:37 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ジェフリー・ディーヴァー【限界点】
限界点 上 (文春文庫)
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限界点 下 (文春文庫)
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 ディーヴァーのノンシリーズ。
 殺しのプロと擁護のプロの戦い。
 
 珍しく一人称です。
 これがすごい閉塞感を生む。
 狙っている殺し屋が誰か、わかっているけれど、それだけ。守る方も守られる方も、一体なぜ狙われるのかわからない。で、一人称だから、主人公が知り得ないことは絶対わからない。
 なんか、夜中にやたらカーブの多い山道を走ってる感じだった。しかも、注意してゆっくり行くのではなくて、高速で走っている。
 
 その中で、主人公の人となり、そしてそのチームのつながりが、エンボスのように浮かんでくる。
 また、殺し屋の姿もそれなりに明確になってくるのだけど、そっちは逆光の中の像のように感じた。

 この感触の違いをかき分けられるのがディーヴァーのすごいところだとしみじみ思った。

 も、何書いてもネタバレになりそうなので…。

 ともあれ、何一つ確実なものはない、信頼や信用も暴力の前では頼りないし、愛情ゆえに家族は揺らぐ、そんな不安定な世界の中で、己だけを核として立ち続けることはたやすくない。
 きっと、なにもかもが不安定であると感じない、イメージできない人は、それは問題ではない。
 が、殺し屋にしろ主人公にしろ、それとは真逆の繊細さを持っている。というか、感覚に愚鈍では仕事にならないだろう。
 そして、そのことそのものが最大の矛盾なのだ。

 …矛盾と向き合う、対峙する、そういう物語だったのかもしれない。






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* by * 17:20 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
デボラ・クロンビー【警視の哀歌】
警視の哀歌 (講談社文庫)
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 警視キンケイドシリーズ。
 育児休暇あけだけれど、子育てに翻弄している。

 初老の弁護士が全裸で拘束されて殺される。
 ライブハウスでもめた、新人のギタリストが容疑者になるのだけど…。

 事件の全容より、むしろ過去話がメインって感じかも。
 なんとういうか、子供の頃からハードは人生を送っている子は切ないし、邪悪な魂を持って生まれてしまった子に救いはない。そして理不尽に虐げられる人はつねに存在する。

 そういう歪みが、年月を経て表にでてくる。
 
 負というかマイナスというか、そういうものは、それにとらわれる人にとっては決して消えない火のようであり、小さなきっかけ一つで爆ぜるというか、燃え広がるものなのだ。

 にしても、メロディは大丈夫なの??
 と、ちょっと心配。
 まあ、恋ってそういうものなのだろうけどね。
 
 事件には苦味が、キンケイドの家庭には微笑みが、そんな二面性が強い作品でした。



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* by * 07:39 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ジェフリー・ディーヴァー【ゴースト・スナイパー】
ゴースト・スナイパー 上 (文春文庫)
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ゴースト・スナイパー 下 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー 文藝春秋 (2017-11-09)売り上げランキング: 4,514



 リンカーンシリーズ。
 バハマで反米運動家が殺害される。超長距離狙撃による暗殺だった。

 現場がバハマってだけで、面倒なのに、地方検事補が、それは非合法暗殺事件で追訴したいから力をかせと乗り込んでくる。

 この検事補ローレル女史が、いい。
 なんか、最初すごい嫌なヤツで、サックスはつんつんしているのだけど、最後に向かってすごく人間らしくなる。その人間らしさが出てくる過程が、リンカーンチームの個々を尊重しながらつながりを大事にするっていう雰囲気にのまれながら抗いながら一枚一枚ベールをはいでくようで心にくい。
 うん。生まれながらにつんつんしている人はいない。
 自分がちゃんと尊重されるとわかれば、殻を脱ぎ捨てることができる。
 仕事をきっちりすることで、それができるっていうのは、ある意味最高の職場かもしれないww

 不気味なテロリスト視点の話もあって…。
 無駄に腹が減ります。
 あと、貝印はディーヴァーに宣伝費を払うべきなんじゃね、ってぐらい貝印が欲しくなったよ。

 そして、どんでん返しの神は、とんでもないものをもってきました。

 007の小説の時も思ったけど、ディーヴァーは<そこにある危険>まだ見えてないけれど、ほんの先の未来にかならず<危険>になるものを熟知していると思う。
 ってことで、ようするにそういうことなのだ。

 私たちに、もう安息の地はないのかもしれない。

 って、ライムの最後の選択に驚愕した。
 でも、そうだよね。
 身をまもるってことは、そういうことだし、失ったから得るものもある。
 
 切ないね。










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* by * 21:20 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
アンナ・スヌクストラ 【偽りのレベッカ】
偽りのレベッカ (講談社文庫)

 万引きで捕まった<私>は、11年前に行方不明になった少女レベッカになりすました。
 <私>の今と、レベッカの過去が交錯する。

 オーストラリアが舞台の作品。
 で、何かですごくほめていたので、読んでみた。

 なんというか…。
 はっきりこう、と言いにくいところが、むしろ斬新なのか。
 とはいえ、このもやっとした感じは<私>の語り口が一番の要因なのだろうなと思う。
 彼女が本当にダメな人なのだ。断片的に自分自身のことがでてくるけれど、結局はそれらにきちんと向き合ってこなかったから、断片的にしか出てこない。自分自身を欺いているから、他人になりすますことができるということなのだろうが、それにしてもね。
 
 また、16歳当時のレベッカ視点の話も、なんともいえない閉塞感がある。
 って、彼女は当事者なのだから、当たり前か。

 <私>というか、レベッカに変に執着する警官もなんだか不気味だし、レベッカの家族もちょっと気持ち悪い。
 
 結局、アンバランスな人が集まっているから、そういうことになるのか。そういうことがあるから、人はバランスを保てなくなるのか。どのみち、バランスの悪い人たちの話ってことなのだろう。

 オチ(?)はちょっと無理矢理な気がする。
 とはいえ、<私>にとっていい転機になったことは確かなのだろう。





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* by * 10:12 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ロバート・ゴダード【 宿命の地】
宿命の地(上) 1919年三部作 3 (講談社文庫)
ロバート・ゴダード 講談社 (2017-05-16)売り上げランキング: 150,181

宿命の地(下) 1919年三部作 3 (講談社文庫)
ロバート・ゴダード 講談社 (2017-05-16)売り上げランキング: 147,098


 3部作の最後。

 舞台は日本へ。

 で、主人公がなかなか出てこない。本がこれだけの暑さがあるので、このままってことはないよね、って思って読んでるし、実際そうなのだけど、そこまで引っ張っていくのが上手い。
 そして、登場してきて…。
 いきなり、話が展開し始めるあたりも上手い。
 やっぱり、ゴダードは職人です。

 ただ、日本が舞台っていうのが、ちょっとね。
 多分、外国人の思う日本ってこういう感じなのね、って。もっとも、それゆえにものすごくエンターテイメントぽくなっていて、このまま映画化すればいいのにって感じになっている。
 うん。非常にビジュアル的だよね。

 キャラクターも、個々がわかりやすい。というか、王道。
 特に、マックスの王道っぷりがすごい。あと、サムの相棒っぷりも。

 で、最初、戦争に生き残ってちょっと燃え尽き症候群っぽかったマックスが、この3部作の中で、ちゃんと地に足がついた感じになっていくのがよかった。
 傷ついた心は、結局のところ自分でしか、自分で何かをのりこえなければ、癒せないってことなんだろう。

 面白かった!!



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* by * 09:05 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
キャロル・オコンネル【ルート66】
ルート66〈上〉 (創元推理文庫)
キャロル・オコンネル 東京創元社 売り上げランキング: 24,334

ルート66〈下〉 (創元推理文庫)
キャロル・オコンネル 東京創元社 売り上げランキング: 24,321


 マロリーが失踪して、彼女の部屋には女性の遺体があった。

 相変わらずのクールビューティーっぷりで、周りをひっかきまわしまくってるマロリーですが、今回はちょっと違う。
 なんか、ちょっと壊れてるというか、とりつかれている感じで、読んでるこっちがびびるよ。つか、他のキャラたちもビビってる感じがすごいあって、そのへんにものすごくシンクロしてしまう。
 って、オコンネルはこの辺が上手いのかと、認識する。
 主人公ではなく、いわばモブとして、物語と感情を同調させる術に長けているのだろう。
 うん。過去作品を思い返すにそんな気がしてきた。

 ともあれ他の追従を決して許さないマロリーは、暴走中で、ライカーとバトラーがそのしりぬぐいに奔走するよ。
 って、前作でああだったバトラーなので、今回はしおしおです。しおしおバトラーをライカーがあおるというちょっと珍しいパターン。
 つか、ライカーの揺るぎなさも実はこのシリーズの魅力であったと再発見。

 ルート66で起こる連続殺人事件と、行方不明の子供を探す一団と、警察と、FBIと、物語は混乱を極める。

 まぁ、いつでもそうなのだけど、一番醜悪なのは人間なのだ。
 そして、<そんなことで>という理由で、簡単に転がり落ちて、それを誤魔化すためにさらに邪悪になる。
 
 ルート66だけに、その転がりっぷりに眉間が寄ってしまったよ。

 そしてマロリーは、自分のルーツを手にいれる。
 も、決して変わることがないと思っていた彼女だけど、それでもじんわりとやんわりと変わっていくのだろうか。
 …変わっていくことが、必ずしも幸せ、ってことじゃなさそうなところが、憂鬱。




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* by * 21:14 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ロバート・ゴダード【灰色の密命】
灰色の密命(上) 1919年三部作 2 (講談社文庫)
ロバート・ゴダード 講談社 (2017-03-15)売り上げランキング: 29,304

灰色の密命(下) 1919年三部作 2 (講談社文庫)
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 めぐりめぐって、二重スパイになったマックス。
 
 チャプターのナンバリングがなくて、段落があってページが変わるってだけなのが、ものすごい緊張感を生んでいる。こんなことぐらいで、って思うけど、こんなことぐらいじゃないんだろうな。
 やっぱり、ゴダード、構成力が半端ないです。

 前作では、とにかく人物が入り乱れていたのだけど、ここで少し整理された感じ。
 まぁ、誰も敵か味方がわからない状態のままでは、盛り上がるものも盛り上がらないものね。とはいえ、え、この人が実はそうだったの、っていう展開には毎度、おおお、ってなるのである。

 ついでに、前作でマックスパパ、そんなことで…と結構がっくりしていたことが…。
 いやあ、そうじゃなきゃ。
 マックスのパパだもの。そうじゃなきゃだめだよね。
 
 そういうパパと素敵なお母様の子供であるマックスも、ぼんぼんだけど、いやぼんぼんだからこそ魅力的なのだ。これぞイギリスの風土と年月が生み出した紳士、って感じ。
 うむ。
 これは、むしろ自らの出自、バックボーンの話なのかもしれない。
 だからこそ、次の舞台が日本になったのかもしれない。
 
 次で完結になるそうな。
 楽しみ。楽しみ。



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* by * 20:21 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ボストン・テラン【その犬の歩むところ 】
その犬の歩むところ (文春文庫)
ボストン テラン 文藝春秋 (2017-06-08)売り上げランキング: 6,406


 とある犬と、人々の物語。

 ディーン・クーンツの「ウォッチャーズ」が人を犬好きにする一番の作品って思ってましたが、そこに一石を投じられることになるとは。
 も、最後の方は涙で字がにじんでたよ。

 生まれた環境によって虐げられた人間が、自分の力で足で歩きだそうとする姿や、どうしようもなく傷ついた人が、やはり自分の力で再び立ち上がろうとする、そこに寄り添う犬。
 純粋なものの存在は、無垢であるからこそ、シンプルに力になるのだろうか。
 シンプルだからこそ、自分自身の内なるものを見つめ、結局のところ、自分自身が行動を起こすしかないのだと、悟らせる。

 無垢なものの意味は、そういうことなのかもしれない。
 
 「暴力の教義」もそうだったけれど、テランは人の根底にある暖かいもの、柔らかいもの、を信じているのだろう。そしてそれをきっと<心>と呼ぶのだろう。




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* by * 20:15 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
フェイ・ケラーマン【血のない殺人】
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 デッカー&リナ、シリーズ。
 
 でもって、翻訳、間がぬけてるみたいで???となる。
 なんでシンディーが結婚して妊娠してるんだよぉ。
 
 も、前後してもどうでもいいから、とにかく全部翻訳出してほしいです。
 でもって、ジョナサン・ケラーマンのアレックスシリーズも、出してください。切実。

 と、一通り愚痴っておいて…。
 古い知り合いの人妻に会うことを頼まれたデッカー。その後、彼女は失踪する。そして、つるされた身元不明の女性の遺体が発見される。
 
 事件の交錯が、リアルですごい。
 読んでるほうは、こうなんだろうなって思って読んでるけど、現場はそうじゃないし、実際には同時にもっとたくさんのことを手掛けているのだろう。ご苦労さまですm(__)m

 人妻には息子が一人いて、成り行きでデッカーの家にくることになる。
 ピアノの天才の彼は、14歳とは思えない冷静さで現実に対処しているのだが、その冷静さがなんか切ない。切ないところを、デッカー夫妻の娘、ハンナを通して描かれるからさらに切ない。
 
 もともと、複雑は家だったのに、さらに複雑になってって思うけれど、家族は血のつながりがすべてではないというむしろ基本に立ち返ろうとする物語なのだろうか。
 
 事件は意外な展開で終わる。
 結構肩透かし。
 まぁ、それもこのシリーズらしいといえばそうなのだろう。

 にしても、このシリーズらしく食べ物がおそろしく美味しいそうだったよ。
 デッカーの還暦祝いのパーティ料理が素敵。
 
 ってことで、読むときは空腹に注意ww




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* by * 20:27 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
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