*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
あたりまえですが、無断転載禁止ですよ。
と、コミュニケーションの取れないコメント&宣伝目的のトラクバック&ステマは内容問わず削除させていただきますm(__)m
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ボストン・テラン【ひとり旅立つ少年よ】
ひとり旅立つ少年よ (文春文庫)
ボストン テラン 文藝春秋 (2019-08-06)売り上げランキング: 96,134


 南北戦争前、詐欺師の父がだまし取った金を、騙した名目の通り届けようとする少年の話。

 タイトル通り「ひとり旅立つ少年」なんだけど、ゆく先々で助けられる。というか、少年というのはあまりにもか弱い。子供である以上、どうしても庇護が必要なのだ。
 そのあたりが、切ない。
 容赦なく、周りに振り回され、自分ではどうしようもできない、その過酷さが悲しい。

 <まるで白人に見える黒人>というものの存在を始めて知った。
 もう、こうなると真実なんて意味がないよね。
 
 その意味のない世界で、父と自身の罪を贖うために歩き続ける彼は、尊い。
 
 人間の尊厳とか矜持とか、そういうものを考えさせられる作品だった。

 にしても悪役が怖すぎて…。まじ怖かった。



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* by * 15:53 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * - *
キャロル・オコンネル【ゴーストライター】
ゴーストライター (創元推理文庫)
キャロル・オコンネル 東京創元社 売り上げランキング: 201,677


 マロリーシリーズ。

 上演中の芝居の脚本家が、上演中に殺される。その芝居は、ゴーストライターなる人物に勝手に脚本が書き換えられているといういわくつきのものだった。

 役者は変人が多い。
 が、それらを凌駕するマロリーなのである。
 とはいえ、ちょっとまっとうに感じるのは、周りが変人ばかりなのか、それとも前作で自らのルーツがわかったからか、と、なんだか感慨深いのである。
 
 氷の女王みたいな彼女だけど、誰もが心の奥底に小さな子供がいて、それは良心という形で表出するなんていう性善説を信じたくなったりするのである。
 つか、養父養母に大事に育てられたということは、本当に大きなことなのだ。

 物語は、過去に起こった一家惨殺事件と重なっていき…。
 
 場面が文字通り目まぐるしく変わっていき、面白かったのだけど、最後の最後にやられました。
 つか、読み終わったら、もう最後のところしかないよww

 うん。

 なんというか、バッハのフーガの終わりを聞いている、聞いていた、そんな感じ。




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* by * 15:55 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ジェフリー・ディーヴァー【スキン・コレクター】
スキン・コレクター 上 (文春文庫)
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スキン・コレクター 下 (文春文庫)
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 リンカーン・ライムシリーズ。
 NY地下で拉致された女性は、毒の針で刺青をされ死亡していた。

 まずは、殺害方法にいやあな気分になる。
 つか、ディーヴァー、こういう感覚を共感させるのが上手いんだよね。上手いくせに、追いつめたりはしないから、もう続き読めないってなったりせずに、むしろさっさと解決を読んですっきりさせたいと思う。
 こうなると、テクニックですね。

 ライムとアメリアの関係は問題ないのだけど、かつてボーンコレクターに拉致されていた少女パム(長じてアメリアと疑似親子みたいになっている)との関係がぎくしゃくしている。
 なんか、常になにか周りで問題が起こってるよね、アメリア。
 ライムが基本動けないから、物語の狂言回しの役割として仕方ないところがあるのだろうけど、もうちょっと彼女に平和があってもいいと思うのだが。少なくとも、髪の毛をかきむしる癖は何とかしてあげてほしいよ。
 
 犯人は、どうやらライムの著書を熟読していて、ライムの手の内を理解している。
 なんで操作は遅々として進まず。

 この壁に蟻の穴をうがつような操作っぷりが、ライムシリーズの魅力だよね。
 うん。個々は小さなものだけど、それが重なって連なって、壮大なシンフォニーになる。そんな感じがする。

 で、<ドンデン返しの魔術師>と帯に書かれているディーヴァー、こっちもどうくるかと構えて読んでいるのだが、今回はこうきました。
 ドンデン返しって、ただひっくり返すだけが芸じゃないのよ。

 伏線はしっかりあったし、ん、って思ってもいたのだけど、やられました。

 …事件を解決するごとに、ライムとアメリアの周りが人間的になっている気がする。いや、ライムが人間的なことを受け入れているのか。殺伐とした案件の後だから、余計そう思うのかもしれないが、結局のところ<人間>の存在とは何なのかということを、突き詰めようとしている気がする。

 面白かった。






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* by * 15:29 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【ミスター・メルセデス】
ミスター・メルセデス 上 (文春文庫)
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ミスター・メルセデス 下 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2018-11-09)売り上げランキング: 83,508



 キングが書いたミステリー。
 いきなり、エドガー賞、とってるよ。

 仕事を求める人の列の中に、暴走車がつっこみ多数の死者を残して立ち去る。事件は未解決のままであったが、担当していた退職刑事のもとに犯人からの挑戦状が届く。

 とりあえず、あれだ「雉も鳴かずば撃たれまい」だな。

 元刑事のホッジズは昔かたぎって感じで、昨今のアイテムに弱い。そこをフォローする高校生や、犯行に使われた車の持ち主の妹や、彼を助ける人物像がどれもいい。
 人の善良性や人生の光を信じている感じがある。
 だからこそ、犯人の醜悪さや闇に向かう心が、いやな汗のようにまとわりついてくるのだけどね。

 また、事件によって人生を狂わされた人々の哀れが切ない。
 
 昨今のミステリーは、犯人にもこういう事情があって、とちょっと同情的なものが多い気がするのだけど、そういうのはない。確かに、幸せな生い立ちとはいえない。が、それがどうした。犯人の罪と人となりは、とにかく醜悪だった。

 と、後半に向かって、急展開になっていくあたりは、さすがにキングって感じだった。
 が、そうきたか。
 そうなのと、ちょっと…。

 年齢重ねてキングも丸くなったと思っていたのにww

 実際、推理小説としてはどうなの、って思わないではい。基本、犯人がボロを出すって動きだからね。
 が、小説としては、群像小説としては、最高だと思う。

 続編もすでにあるみたなので、楽しみ!






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* by * 17:10 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
キャロル・オコンネル【生贄の木】
生贄の木 (創元推理文庫)
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 マロリーシリーズ。
 
 前作で、がっつり職場放棄をやらかしたマロリーは署内で微妙な位置にいるのだけど、まぁ、そんな風に思っているのは周りだけで、本人はまったく気にしてないというか、いつも通りで毎度ながら強い。
 唯一繊細なキャラ、チャールズは右往左往してるんだけどね。
 それに対して、もう完全に開き直ったって感じなっているライカーがへんにいけてる。素敵オジサマになってるよww

 森の中で袋に入れられて木につるされていた3人。
 唯一の目撃者は、ウィリアムズ症候群の少女だった。
 
 子供だろうが、まったく躊躇しないマロリーなので繊細なチャールズと対立するのだが、当の少女はマロリーにめっちゃ懐いてしまう。一番守ってくれる人をチョイスするのは、子供の生きるための本能なんでしょうかね。

 被害者3人に共通点はなく、捜査は難航する。
 
 話は、陰謀とか過去とか、どんどん拡大していくのだけど、最終的には子供のところに集結する。
 大人は、子供がよりよく生きるために力を尽くす義務や責任がある。
 それぞれ立場や価値観や方法が違っていてもだ。
 それを間違ってしまった人と、揺るがない人の話だったように思う。






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* by * 10:37 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ジェフリー・ディーヴァー【限界点】
限界点 上 (文春文庫)
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限界点 下 (文春文庫)
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ジェフリー ディーヴァー 文藝春秋 (2018-02-09)売り上げランキング: 29,286



 ディーヴァーのノンシリーズ。
 殺しのプロと擁護のプロの戦い。
 
 珍しく一人称です。
 これがすごい閉塞感を生む。
 狙っている殺し屋が誰か、わかっているけれど、それだけ。守る方も守られる方も、一体なぜ狙われるのかわからない。で、一人称だから、主人公が知り得ないことは絶対わからない。
 なんか、夜中にやたらカーブの多い山道を走ってる感じだった。しかも、注意してゆっくり行くのではなくて、高速で走っている。
 
 その中で、主人公の人となり、そしてそのチームのつながりが、エンボスのように浮かんでくる。
 また、殺し屋の姿もそれなりに明確になってくるのだけど、そっちは逆光の中の像のように感じた。

 この感触の違いをかき分けられるのがディーヴァーのすごいところだとしみじみ思った。

 も、何書いてもネタバレになりそうなので…。

 ともあれ、何一つ確実なものはない、信頼や信用も暴力の前では頼りないし、愛情ゆえに家族は揺らぐ、そんな不安定な世界の中で、己だけを核として立ち続けることはたやすくない。
 きっと、なにもかもが不安定であると感じない、イメージできない人は、それは問題ではない。
 が、殺し屋にしろ主人公にしろ、それとは真逆の繊細さを持っている。というか、感覚に愚鈍では仕事にならないだろう。
 そして、そのことそのものが最大の矛盾なのだ。

 …矛盾と向き合う、対峙する、そういう物語だったのかもしれない。






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* by * 17:20 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
デボラ・クロンビー【警視の哀歌】
警視の哀歌 (講談社文庫)
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 警視キンケイドシリーズ。
 育児休暇あけだけれど、子育てに翻弄している。

 初老の弁護士が全裸で拘束されて殺される。
 ライブハウスでもめた、新人のギタリストが容疑者になるのだけど…。

 事件の全容より、むしろ過去話がメインって感じかも。
 なんとういうか、子供の頃からハードは人生を送っている子は切ないし、邪悪な魂を持って生まれてしまった子に救いはない。そして理不尽に虐げられる人はつねに存在する。

 そういう歪みが、年月を経て表にでてくる。
 
 負というかマイナスというか、そういうものは、それにとらわれる人にとっては決して消えない火のようであり、小さなきっかけ一つで爆ぜるというか、燃え広がるものなのだ。

 にしても、メロディは大丈夫なの??
 と、ちょっと心配。
 まあ、恋ってそういうものなのだろうけどね。
 
 事件には苦味が、キンケイドの家庭には微笑みが、そんな二面性が強い作品でした。



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* by * 07:39 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ジェフリー・ディーヴァー【ゴースト・スナイパー】
ゴースト・スナイパー 上 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー 文藝春秋 (2017-11-09)売り上げランキング: 6,326

ゴースト・スナイパー 下 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー 文藝春秋 (2017-11-09)売り上げランキング: 4,514



 リンカーンシリーズ。
 バハマで反米運動家が殺害される。超長距離狙撃による暗殺だった。

 現場がバハマってだけで、面倒なのに、地方検事補が、それは非合法暗殺事件で追訴したいから力をかせと乗り込んでくる。

 この検事補ローレル女史が、いい。
 なんか、最初すごい嫌なヤツで、サックスはつんつんしているのだけど、最後に向かってすごく人間らしくなる。その人間らしさが出てくる過程が、リンカーンチームの個々を尊重しながらつながりを大事にするっていう雰囲気にのまれながら抗いながら一枚一枚ベールをはいでくようで心にくい。
 うん。生まれながらにつんつんしている人はいない。
 自分がちゃんと尊重されるとわかれば、殻を脱ぎ捨てることができる。
 仕事をきっちりすることで、それができるっていうのは、ある意味最高の職場かもしれないww

 不気味なテロリスト視点の話もあって…。
 無駄に腹が減ります。
 あと、貝印はディーヴァーに宣伝費を払うべきなんじゃね、ってぐらい貝印が欲しくなったよ。

 そして、どんでん返しの神は、とんでもないものをもってきました。

 007の小説の時も思ったけど、ディーヴァーは<そこにある危険>まだ見えてないけれど、ほんの先の未来にかならず<危険>になるものを熟知していると思う。
 ってことで、ようするにそういうことなのだ。

 私たちに、もう安息の地はないのかもしれない。

 って、ライムの最後の選択に驚愕した。
 でも、そうだよね。
 身をまもるってことは、そういうことだし、失ったから得るものもある。
 
 切ないね。










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* by * 21:20 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
アンナ・スヌクストラ 【偽りのレベッカ】
偽りのレベッカ (講談社文庫)

 万引きで捕まった<私>は、11年前に行方不明になった少女レベッカになりすました。
 <私>の今と、レベッカの過去が交錯する。

 オーストラリアが舞台の作品。
 で、何かですごくほめていたので、読んでみた。

 なんというか…。
 はっきりこう、と言いにくいところが、むしろ斬新なのか。
 とはいえ、このもやっとした感じは<私>の語り口が一番の要因なのだろうなと思う。
 彼女が本当にダメな人なのだ。断片的に自分自身のことがでてくるけれど、結局はそれらにきちんと向き合ってこなかったから、断片的にしか出てこない。自分自身を欺いているから、他人になりすますことができるということなのだろうが、それにしてもね。
 
 また、16歳当時のレベッカ視点の話も、なんともいえない閉塞感がある。
 って、彼女は当事者なのだから、当たり前か。

 <私>というか、レベッカに変に執着する警官もなんだか不気味だし、レベッカの家族もちょっと気持ち悪い。
 
 結局、アンバランスな人が集まっているから、そういうことになるのか。そういうことがあるから、人はバランスを保てなくなるのか。どのみち、バランスの悪い人たちの話ってことなのだろう。

 オチ(?)はちょっと無理矢理な気がする。
 とはいえ、<私>にとっていい転機になったことは確かなのだろう。





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* by * 10:12 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ロバート・ゴダード【 宿命の地】
宿命の地(上) 1919年三部作 3 (講談社文庫)
ロバート・ゴダード 講談社 (2017-05-16)売り上げランキング: 150,181

宿命の地(下) 1919年三部作 3 (講談社文庫)
ロバート・ゴダード 講談社 (2017-05-16)売り上げランキング: 147,098


 3部作の最後。

 舞台は日本へ。

 で、主人公がなかなか出てこない。本がこれだけの暑さがあるので、このままってことはないよね、って思って読んでるし、実際そうなのだけど、そこまで引っ張っていくのが上手い。
 そして、登場してきて…。
 いきなり、話が展開し始めるあたりも上手い。
 やっぱり、ゴダードは職人です。

 ただ、日本が舞台っていうのが、ちょっとね。
 多分、外国人の思う日本ってこういう感じなのね、って。もっとも、それゆえにものすごくエンターテイメントぽくなっていて、このまま映画化すればいいのにって感じになっている。
 うん。非常にビジュアル的だよね。

 キャラクターも、個々がわかりやすい。というか、王道。
 特に、マックスの王道っぷりがすごい。あと、サムの相棒っぷりも。

 で、最初、戦争に生き残ってちょっと燃え尽き症候群っぽかったマックスが、この3部作の中で、ちゃんと地に足がついた感じになっていくのがよかった。
 傷ついた心は、結局のところ自分でしか、自分で何かをのりこえなければ、癒せないってことなんだろう。

 面白かった!!



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* by * 09:05 * ミステリー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
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