*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
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北森鴻【狂乱廿四孝/双蝶闇草子】
狂乱廿四孝/双蝶闇草子 (創元推理文庫)
北森 鴻 東京創元社 売り上げランキング: 272,974



 幕末から明治初期にかけて活躍した、歌舞伎役者、津村田之助をめぐる物語。
 北森鴻のデビュー作と、その後日談の話(未完)の2作。

 田之助は、脱疽になり四肢を切断した悲劇の歌舞伎役者だ。その周りで殺人事件がおこり、戯作作者見習いの娘、お峰の目を通して事件は追われていく。

 河鍋狂斎の描いた幽霊が、きっかけであり謎解きになる。なので、狂斎をはじめ個々の個性が強烈で、幕末明治にかけての空気の密度を感じる。
 でも、異彩を放っているのは、やはり田之助なのだ。
 出てくるシーンは少ない。が、四肢を失っても舞台に出る、歌舞伎役者であり続けるという執念がにじみ出てくる。
 ゆえに、お峰が薄い。
 まぁ、語り部としてはフェアなのだろうけれど、負けてるなって感じてしまう。
 
 ミステリーのテイをとっているので、フェアであることが大事だったのかもしれないが、それによって徒花の匂いを奪ってしまった、そんな感じがする。

 そのためか、2作目でまったくフェアじゃない方法がとられる。
 こうなると、もう飛び道具なのだが、それを使いながら、むしろそれを使うことによって軌跡をはっきりさせるという流石にデビュー作ではない、百戦錬磨された作家さまと感じた。

 ま、現代と過去で、歌舞伎的な見立てを張り巡らせたところで、未完になっているので、わああってなっちゃうのだけどね。
 完結したのを読みたかったよ…。




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* by * 20:41 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
北森鴻【天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV 】
天鬼越: 蓮丈那智フィールドファイルV (新潮文庫)
北森 鴻 浅野 里沙子 新潮社 (2016-03-27)売り上げランキング: 73,607



 蓮杖那智シリーズの短編集。
 浅野氏との共著になります。

 話の流れというか、オチにいたる、ところはわかりやすい。
 まぁ、これが短編だからなのか、結局のところ北森氏ではないからなのか、曖昧。
 
 が、なんとういうか…。
 前の長編の共著の時はミクニの立ち位置が微妙だと思ったのだけど、今回は那智が微妙。

 うむ。
 メイクや服装で那智にしても、立ち振る舞いで、あれ、って思う、そんな感じの違和感。
 まあ仕方ないんだろう。
 
 つか、一番の悪因はあのドラマだったと思うのだ。
 あの女優さんでは、残念ながら凍てつくような美貌は出ない。
 が、百聞は一見に如かずってよくいったもので、一旦映像化されるとそのイメージがどうしてもついてくる。

 むずかしいもんだ。

 「偽蜃絵」が面白かった。
 も、ありえないでしょ、って思うけど、強引に納得させられる。
 うん、この那智による強引さが、このシリーズの醍醐味だったのだなと、しみじさせられたのである。








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* by * 22:52 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
三上延【ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ 】


 栞子さんの祖父母因縁のシェークスピアをめぐる物語。

 家族のルーツをたどることで、完結だそうですよ。
 過去を超えて、新しい家族と歩み始めるって図式ですね。

 にしても、母親も相当ハラグロだったけど、祖父もさらに…。
 そりゃ、栞子さんもいい人みたいでハラグロが正解でしょうな。

 話そのものは、面白かったんだけど、ちょっと因縁をふくめすぎだな。
 うーん。
 ラノベというカテゴリーゆえなんでしょうかね。因縁がないと、動機が薄いとでもいわばかりだ。つか、その辺は作者の腕の見せ所じゃないかと思うんだけどね。

 なんか、今度はアニメ化だそうで…。
 とりあえず栞子のキャストがきになる。
 あの根底にあるハラグロがでてくる作品になってるといいな。というか、そうだったら最大限に評価するよ。





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* by * 21:27 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
北森鴻 浅野里沙子【邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV 】
邪馬台: 蓮丈那智フィールドファイルIV (新潮文庫)
北森 鴻 浅野 里沙子 新潮社 (2014-01-29)売り上げランキング: 154,252



 未完の遺作を、パートナーが完成した作品。
 うーん。
 那智とミクニのパワーバランスがちょっとな。
 まぁそこのところは、本筋とは関係ないんだろうけど。

 で、邪馬台国は?って話。
 今更邪馬台国、って感じはあったのだけど、さすが北森鴻は目の付け所が違う。
 感心しきりなのであった。
 
 にしても、わけのわからない、ってことの恐ろしいこと。
 というか、わからさないようにされているものに対峙することの恐怖か。
 <故意に隠す>ということは、もうそれだけで負の領域におかれるということなのかもしれない。

 面白かった。




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* by * 20:53 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
樋口有介【刑事さん、さようなら】
刑事さん、さようなら (中公文庫)
中央公論新社 (2014-01-31)売り上げランキング: 66,707


 タイトルの意味がわかったとき…。

 樋口氏は、すごい上手いタイトルつけるときと、おい、って時があって、今回は、おい、の方かと思ったら、失礼しましたm(__)m

 自殺した警官に、風俗ライターの死。無関係に思われたそれは、ある女によってつながっていた。
 たたき上げの警部補、須貝と、焼肉屋の店員、ヨシオの視点が交錯するのだが、それぞれがそれぞれの生活があってむしろそれが面白い。特にコリアン焼肉屋の猥雑さと、その中で淡々と仕事をこなしていくヨシオのテンションの落差がむしろ安心感になっている。
 警察の中身がおいおい、っていうのは、警察ってろくなのいないじゃん、ってなるのでちょっとやりすぎな気がしないわけでもないですが。
 
 とはいえ、汚濁の中で自分を保っているように見える二人だけど、結局は…。
 帯に「あなたはこの犯人を赦しますか?」ってあるのだけど、許せるわけないと思うのだが。つか、それは彼の結局のところ妄想の産物だと気づいたとき、彼がそのままでいられないだろうと想像できて憂鬱。

 なんか、読後にじわっと毒がしみてくる感じだった。



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* by * 20:50 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
望月諒子【大絵画展】
大絵画展 (光文社文庫)
望月 諒子 光文社 (2013-03-12)売り上げランキング: 8,650


 ロンドンのオークションでゴッホの「医師ガシェの肖像」が日本人によって競り落とされた。
 時は流れ、追いつめられた人間たちが、倉庫に眠るくだんの絵の奪取をもくろむ。

 絵画の値段のつき方とか、画廊の裏話とか、本当に魑魅魍魎の世界だなと思う。
 それが淡々と冷静に描かれている。
 物語は、それぞれの主観で描かれているのだけど、それを超えた、それを俯瞰している視線が常にある。
 
 この冷静さが、魅力なのかもしれない。
 
 で、追いつめられる人間が、まぁだからこそ追いつめられるのだけど、だめだめで感情移入できない。つか、ほかの登場人物もつかみどころがなくて、シンパシーがない。
 なので、どうも読後にすっきり感がないのである。
 すっきりというか、達成感というか…。

 まぁそれはあえてそうした、ってことなように思うのだけど。




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* by * 21:16 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
奥泉 光【シューマンの指】
シューマンの指 (講談社文庫)
奥泉 光 講談社 (2012-10-16)売り上げランキング: 272,474


 音大を目指していた主人公。彼の通う高校に、天才ピアニストと名高い少年が入学してきた。
 
 少年は指が切断されたのに、のちに海外でピアノを弾いていたという話から始まって、女子高校生がプールで殺されたりなので、ミステリーのカテゴリーにはいってるみたいだけど、実際には「シューマン論」だった。
 うん。「シューマン論」としては、ものすごく面白かった。

 で、入れ子の入れ子みたいなことなのだけど…。
 
 どこまでを曖昧模糊にするかっていうのが、微妙。
 つか、これを<ミステリー>にカテゴライズしないといけない、曖昧のままでおいてはおけない、というのがむしろに今の出版業界の苦悩が感じられるのだが…。

 ともあれ、こういう類のもので、良作である証拠は読後<聞きたくなる>ということだと思う。
 
 で、めっちゃ聞いた。
 でもって、やっぱりピアノソナタ第2番、以外はあんまり好きじゃない。
 ごめんね、シューマンww



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* by * 19:52 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
津原泰水 【たまさか人形堂それから】
たまさか人形堂それから (文春文庫)
津原 泰水 文藝春秋 (2016-02-10)売り上げランキング: 359,668


 人形堂の主になった元OLと、店にもちこまれる人形たちの話の第2弾。

 まぁ、ほかの面々が個性的すぎるので、主人公はこうじゃないとダメなんだろうけど、彼女にはいらっとさせられることが多くてww

 彼女の成長記でもあると読めば、さもありなん、ではあるのだけど、でもなぁ。

 今回は、束前氏が素敵でした。
 あまり人にいえない類の人形を作っているのだけど、仕事に対するプロ意識がすごい。
 職業に貴賤はない、っていうのを体現している。

 個々のエピソードはよかったし、全体的に面白いんだけど、なんかもやっとした感じになるのは…。
 単に主人公が好きじゃないから、ってだけか??



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* by * 21:49 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
折原一【毒殺者】
毒殺者 (文春文庫)
毒殺者 (文春文庫)
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折原 一 文藝春秋 (2014-11-07)売り上げランキング: 118,058


 妻に保険金をかけて毒殺した男。
 完全犯罪になるかと思われたが、謎の脅迫者に悩まされることになる。

 ってことで、実際に起こった事件に想を得た「○○者」シリーズ。
 昔の「仮面劇」を改訂改題して復刊だそうですよ。

 なので、初期作品といわばそうなんだろう。
 でもって、今の折原一を読んでる身としては、なんか歯がゆい。
 うーん。
 現実を虚構の間で、振り回されてる感がいなめないです。

 うん。
 色々詰め込みすぎたかな。

 残念かも…。






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* by * 17:21 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
三上延【ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~】
ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)
三上 延
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-12-25)
売り上げランキング: 957


 ビブリアシリーズの6作目。
 
 今回は太宰オンリーで、色々な因縁話に、ええタイトル通り<めぐるさだめ>の話です。
 ゆえに、過去のことに重きがいってて、ゆえに栞子さんの腹黒さが埋没してます。つか、母ちゃん出てきたら、母ちゃんのキャラが濃すぎて皆負けてるww

 ともあれ、骨董みたいなものを扱う人間は、欲深い、というかなんか<業>みたいなのを負ってるように思う。って、だからこそ小説の題材になるのだろうけどね。うむ。ある種、人生の縮図なのかもしれない。
 という部分を、今回はきちんと描けていてその点は面白かった。
 
 栞子のキャラで、ヒットした作品なんだろうけど、そのキャラを深追いすると面白くなくなる、っていうのはちょっとしたジレンマですね。
 ま、そのための母ちゃん投入、って気もいたしますが。

 なんか次あたりで完結するそうなんだけど、一番苦笑いしてしまうところに着地しそうな予感がすごいしてるんですけどね。
 









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* by * 08:17 * ミステリー(邦人) * comments(0) * trackbacks(0) *
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