*読書記録*

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秋山香乃 【新撰組捕物帖】
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 一応捕物帖なのでミステリーでもいいような気がしたけど、結局のところ、新撰組の源さんを書きたかったんだろうなってことで<歴史>カテゴリーに。

 「歳三往きてまた」も滅茶苦茶よかったけど、これもすごくよかったです。
 
 ステレオな新撰組像と、秋山氏の描く新しい視点とがきれいにまざりあって、新鮮だけどなんか懐かしいそんな群像劇になってます。
 でもって、お人よしの源さんがめっちゃ格好いい。
 まぁ、どんな媒体でも源さんの立ち位置はこんな感じなんだけど、それに過不足がないところがすごいと思う。

 土方のツンデレっぷりも、沖田の無邪気っぷりも、ツボをがっつりおさえてますって感じで、もう「やられました」って平伏したいぐらいだ。

 最終話の「源さんの形見」では号泣させていただきました。
 不器用にしか、それでも夢を追う生き方しかできなかった、徒花としての彼らの鮮やかさが切ない…。








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* by * 21:56 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
塩野七生【レパントの海戦】

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◆塩野七生「レパントの海戦」


 西欧VSトルコ三部作の三作目。

 戦争は血を流す政治で、政治は血を流さない戦争であると言ったのは、誰であったろう。(中略)
 レパントの海戦は、まずはじめに、
   血を流さない戦争
 があり、次いで
   血を流す政治
 とつづき、最後に再び、
   血を流さない戦争
 になって終った、歴史上の一事件であった。おそらく他の戦争がそうであったのと同じように。


 物語は、主にヴェネチアの監察官バルバリーゴを中心に語られる。
 なんといっても彼が魅力的なのだ。実直で、男気があり、聡明。塩野さんは、格好いいオヤジを書かせると右に出る人はいませんね。
 
 結局、レパントは西欧連合艦隊の勝利に終るのだけど、これはヴェネチア共和国の終焉を意味し、文明の中心が地中海から、内陸に移っていく。その流れは、すでに戦いの前から、始まっている。
 その胎動の様が、また上手い。
 歴史というものは、大河のようだなと思う。
 ヴェネチアは、決して大きな間違いを犯したわけじゃない。けれど、大きな流れの前には、なす術がない。主導権を引き渡すしかない。
 だから、人は儚い。

 最後の3行が、感涙ものでした。
 儚いけど、思いは残る。だから、明日も日が昇ると信じられる。
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塩野七生【ロードス島攻防記】
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◆塩野七生「ロードス島攻防記」

 トルコVS聖ヨハネ騎士団@ロードス島。

 本の終わりに地図がはいってるんだが、こんなにトルコに近い島だったのかと死ってびっくり。そりゃ、キリスト教世界にとっては対トルコの最前線であり、トルコにとっては喉元にささった棘であっただろう。

 物語は、3人の騎士を中心に描かれる。
 「コンスタンティノープルの陥落」に対して、人物が絞ってあるので、焦点があわしやすい気がする。また、「コンスタンティノープルの陥落」がコンスタンティノープルだけでなく、ヴェネチアやローマなど様々な土地での話もはいってあったのに対して、ロードス島攻防記はロードス島だけだ。
 が、これがこの攻防記の閉塞的な雰囲気をしっかりだしてて、やっぱり塩野七生は上手いのぉと思うのであった。
 
 しかしながら、塩野七生が本当に描きたかったのは、ロードス島を離れた後の聖ヨハネ騎士団の姿だったのではないだろうか。
 長男にのみ財産を残すという貴族社会で、次男以下は軍人になるか僧侶になるかしか選択がなかった時代。僧侶であり軍人である聖ヨハネ騎士団を選んだ彼らに、ロードス島を落とされた後は流離うしかなかった。
 ただ、その流離いも個々によって違う。
 マルタ島に流れ、のちにトルコに一矢むくいる騎士も、騎士であることを捨て僧侶として生きることを選んだ騎士も、ロードス島を落とされたという消失感を抱いて生きていたように感じる。
 ロードスやマルタといった、地中海のどこまでも青い海を思うと、余計そのように感じる。

 最後に、彼らの騎士の魂が生きていることをがあって、感動した。
 そうか、彼らの戦いは決して無駄ではなく(文中で「いい上官というのは自分が犬死ではないと信じられるような死に方を与えるものだ」とあった)何かを繋いだ戦いだったのだろう。
* by * 20:46 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
塩野七生【コンスタンティノープルの陥落】
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◆塩野七生「コンスタンティノープルの陥落」

 西欧VSトルコ帝国を描く3部作の1作目。

 東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルは若きスルタンによって落とされ、それによって東ローマ帝国は滅びた。
 と、歴史の教科書だと1行ですましてしまうが、塩野七生は丹念に人を描き壮大なロマン叙事詩に仕上げている。
 コンスタンティノープルの陥落について書かれた本、医者、海将、僧、そしてスルタンの小姓、などそれぞれ立場も年齢も状況も違う者が書いたそれらを元にして、誰もが主人公といえるスタンスで描かれている。どの人物の生き生きとしているから、読んでて気持ちがいい。
 そうだ。この作品の中に、悪人はいない。誰かを悪人にする、視点の歪みがない。過ぎ去った歴史を語る時、誰かを悪人とするなんて無意味でしかない。ただ、万象は過ぎ去る。それだけだ。

 最後の皇帝、コンスタンティヌスが地味な存在だけど、すごく光っていた。
 また、スルタンが渋い。
 塩野七生、多分こういう歴史の中に特出して生まれる荒神、みたいな存在に心ひかれるのだろうな。スルタンの小姓だった少年の目を通してのスルタンなので、抑え気味の筆になっていると感じたけれど。
 「あの街をください」
 のくだりは、鳥肌ものでした。
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秋山香乃【歳三 往きてまた】
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◆秋山香乃「歳三 往きてまた」

 土方歳三さまの話です。
 が、華々しい京都時代ではなく、鳥羽伏見の戦い以降、五稜郭で落命するまでの話。

 どうしても司馬遼太郎の「燃えよ剣」と比べてしまうので、気の毒なんですが、……すみません。
 はっきりいって、面白いとはいいがたいです。
 が、ちょこちょこっと「萌え」としかいいようのないシーンがあるんですよね。これでやられます。
 確かに、歳三さまはいい男だったんですが、なんかこういう風にそれを使われるのはどうよと、思うんだけど、妙にはまります。
 これは、たぶん、テクニック。
 ってことで、どうやら上手い作家のようです。
 
 と、とても映像的な文です。
 なので、結構うんざりする戦闘シーン、それもこればっかりなんですけど、もふんふんと読み進められます。
 で、最後のシーンが非常によかった。

 ただ、とある女性との出会いと別れが…。
 ちょっと違うのぉと思うんだけど、皆それぞれに理想の歳三さまを持ってるもんね。
* by * 20:55 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
塩野七生【わが友マキアヴェッリ 塩野七生ルネサンス傑作集7】
塩野七生ルネサンス著作集 7 わが友マキアヴェッリ塩野七生著

◆「わが友マキアヴェッリ 塩野七生ルネサンス傑作集7」
 ルネサンス傑作集の最終巻。
 長かったよ(苦笑)
 同じモノカキのマキアヴェッリを主人公にして、塩野七生は時に熱く、また冷静に、寄り添い、離れ、相反する要素を同時に描いたように思う。というか、そのようにしか書けなかったというべきか。
 このルネサンス傑作集は、個々ですでに文庫オチもしている。けれど、こうやってまとめて読むことでルネサンスというものがわかってくる気がする。それは、宗教からも国からも唯一縛られることを拒否した時代。だからこそ、チェーザレ・ボルジアのような徒花が、そしてマキアヴェッリのような知性が、そしてヴェネチアのような個性が、生きたのだと思う。
 これは、ぜひまとめて読んで欲しいです。
 でもって、やっぱり私の好きな男の原点は、チェーザレです<殴
* by * 22:20 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
塩野七生【神の代理人】
塩野七生ルネサンス著作集〈6〉― 神の代理人
◆「神の代理人」
 ルネサンス期の4人の法王に焦点をあてた作品。
 宗教家でありながら、政治家であることも求められる法王という立場の複雑さが、4人の全く違っていた理想へのベクトルの違いから際立たせている。
 とはいえ、やはり一番面白かったのは、チェーザレ・ボルジアの父親、アレッサンドロ6世の話だ。他の三人が在位中に何をして、何ができなかったのかということに論点をおいているが、アレッサンドロ6世の場合当時フィレンチェで絶対的な勢力をもっていた修道士、サヴォナローナとの対決だけに絞られている。しかしながら、この対決こそが法王という立場の絶対さや、同じだけあるあやうさや、微妙さを象徴し、それを乗り切ったアレッサンドロ6世という人を表現しているといえる。
 面白かった。
* by * 22:31 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
塩野七生【塩野七生ルネサンス著作集 4 海の都の物語】
塩野七生ルネサンス著作集 4 海の都の物語塩野七生著

塩野七生ルネサンス著作集 5 海の都の物語塩野七生著

◆「海の都の物語」
 ながいっ! そりゃそうだ。ヴェネチア共和国1千年の歴史だもの。それを上下巻とはいえ、ここまでしっかりとまとめ、なおかつロマンチックに彩るのは、塩野七生だからこそできたことだと思う。
 蛮族から逃れるために、潟の中にくいを打って作られたヴァネチアが、その地理ゆえに、海の国家になり、その位置ゆえに常に大きな勢力と敵対していく。その在り方は、ロマンだよなと思ってしまう。
 塩野七生のミステリーでヴェネチア貴族を主人公にした3部作があるのだが、その3部作が魅力的だったのもヴェネチアという都市の魅力が反映していたからにさえ思う。
 またシェイクスピアの「ベニスの商人」がなぜ、ベニスなのか、ずーーっと謎だったのだが、これでようやく納得した。宗教も自由、言論も自由、人種的な差別もないに等しいというヴェネチアは、当時のほかの都市からしたら特異だったのだろう。で、特異なものはたいてい排除されるもんだ。
 とにかく面白かった。元々、ヴェネチアって好きだし死ぬまでには行きたいと切望しているのだが、ますます行きたくなった。
* by * 22:36 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
藤本ひとみ 「ハプスブルグの宝剣」
ハプスブルクの宝剣〈上〉   ハプスブルクの宝剣〈下〉

ハプスブルクの宝剣〈上〉  ハプスブルクの宝剣〈下〉
 マリア・テレジアの話。ユダヤの青年が、オーストリア人として生きようとするその苦悩を、マリア・テレジアの夫、フランツのサイドから見ている。
 これぞ、エンターテイメント! 人物は魅力的だし、見せ場いっぱいだし、映像的だし、いやあ、面白かった。
 が、この最後は…。まぁ、いいんだけどさ。
 王としての器はあっても、主人公やマリア・テレジアのような強烈なものがないフランツが、最後の辺りで主人公にかける言葉で泣いた。自分に必要なものが何かを、本当に知っている人は、強い。
 今のところ、藤本ひとみのベストは、これと「ウィーンの密使」だな。
* by * 14:33 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
藤本ひとみ 「マダムの幻影」
マダムの幻影
マダムの幻影
 このマダムっつのは、マリーアントワネットの娘。彼女が、母親の弁護をした男の残した手記を読むって話。もっとも、そこまでくるのに、革命に翻弄された司祭の話が延々と。が、アントワネットとルイ16世の遺体を発掘する現場からはいって、場面をくるくると変えていく手法がすごい。悪くいうと、TV的なんだが、非常に印象的かつ劇的であることはいなめない。
 藤本ひとみの作品はどれも読みやすくて、すごくシンクロしやすい人物がいて、視覚的で、これぞエンターテイメントだなっと思う。
* by * 14:36 * 歴史 * comments(0) * trackbacks(0) *
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