*読書記録*

読書記録、日々徒然。映画&ゲームもあります。
あたりまえですが、無断転載禁止ですよ。
と、コミュニケーションの取れないコメント&宣伝目的のトラクバック&ステマは内容問わず削除させていただきますm(__)m
Copyright (C) 2000-2018 檀 All rights reserved.
スティーブン・キング【ミスト】
ミスト 短編傑作選 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2018-05-10)売り上げランキング: 13,970


 町を霧が覆う。
 その中には何かわからない異形のものがいて、人々はスーパーマーケットに閉じ込められる。

 なんか、映画になっているそうな。
 で、その最後はとんでもない、らしい。

 というのでがぐぶるしながら読んだ。
 
 って、短編集です。
 「ほら、虎がいる」から始まって、じわじわと恐怖のアクセルを踏み込んでいくって感じ。
 「ジョウント」で、うへってなって、「ノーナ」の説明のできないわけのわかならない不安。それが「カインの末裔」ではじける。
 「カインの末裔」が地味に怖いです。タイトルで、想像できるし、その通りなんだけど、怖い。怖い理由がわからなから怖い。すごいありそうで怖い。

 そして「霧」
 一瞬凪いだ感じになるのだけど、そこからはエンジン全開って感じでぶっちぎっていきますよ。
 
 って、最初から映画化の予定があったのだろうか。
 とても映像的なのだ。ものすごく濃い霧で、一面真っ白で何も見えないのに、映像的。
 と、パニックになっていく集団真理が、以前だともっと殺伐と描いていた気がするのだけど、キングもまるくなったものだと思っていたら、主人公なにやってるんだ。と、ちょっと怒る。

 多分、映画とは違う結末なんだろう。
 これはこれで余韻があっていいのだろうけど、やっぱり明るくはないよね。
 やっぱり、キングだよね、って思うのである。






JUGEMテーマ:読書



* by * 09:01 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【ドクター・スリープ】
ドクター・スリープ 上 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2018-01-04)売り上げランキング: 275,830

ドクター・スリープ 下
スティーヴン キング 文藝春秋 売り上げランキング: 223,826


 
 「シャイニング」の後の話。
 惨劇から生き残ったダン少年だったが、その<かがやき>ゆえに、というか、事件のトラウマゆえというか、彼そのものの気質のせいか、苦難に満ちた人生を歩んでいく。

 というのが、前半で、つらい。
 もうどうしようもない感じで、坂道を転がっていく様が、淡々と描かれるのでさらに救いがない。というか、ダンが本気で救われようとしてないんだよね。でも、それをせめるということもなく、かといって憐れむでもなく、一定の距離をおいて書き進めていけるのは、キングの筆力なんだろう。

 なので、小さな女の子の存在に結構癒されるのである。
 とはいえ、彼女アブラも<かがやき>の持ち主で、色々トラブルにあうのだけど、彼女の場合両親とその周りがしっかりしていた。
 アブラが成長していく過程を読んでいくたびに、ダンの父の弱さが浮かび上がってくる。
 同時に、弱さを受け継ぎ、それに屈してしまいそうになりながら、あがくダンの姿も明瞭になってくる。
 
 光を目指しているような二人の姿の陰に、<かがやき>を食べて生き続けている一族が近寄ってくる。
 これはこれで始終暗い。

 ようするに、色々な対比、というか対立の話なのだろう。
 対立は、他者と自分であるのは当然だが、自分自身の中にあるものとの対立も常に存在する。自身の中のものはどちらがが勝つとか負けるとかではなく、バランスなのだ。バランスであるということを、受け入れることが重要なのだ。

 後半の戦いは、一気読み必至です。
 でもってキングも丸くなったねぇ、って感じ。


 結論、キングは最高!! なのだ。



JUGEMテーマ:読書



* by * 10:18 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【11/22/63】
11/22/63(上) (文春文庫)
文藝春秋 (2016-10-07)売り上げランキング: 6,933

11/22/63(中) (文春文庫)
文藝春秋 (2016-10-07)売り上げランキング: 45,086

11/22/63 下 (文春文庫 キ 2-51)
スティーヴン・キング 文藝春秋 (2016-10-07)売り上げランキング: 41,663



 キングなので、一応翻訳ホラーにカテゴライズするけど、ホラー要素はほとんどないな。
 うん。これはSFでいいんではないかと。
 っても、通常のSFともちょっと違う感じ。
 「ジョイランド」もそうだったけど、「メルセデス」ではミステリーになってるそうなので、キングは<キング>というカテゴリーを生み出そうとしているのかな、と漠然と思う。

 で、タイムスリップできる穴を通って、ケネディ暗殺を阻止しようとする話。
 でも、まぁ物語の常として簡単にいかないわけで…。
 タイムスリップものは、色々な規制がかかってきて、そのさじ加減が上手い下手の分かれ目のように思うのだけど、これは<切ない>
 うん。
 過去を思う、郷愁と切なさに満ちた物語だった。
 
 結末が、キングにしては、って思ってたら、息子の助言で直したそうな。
 うーん。
 まぁここんとこ、人間丸くなったよねって思うキングなのでそう終わるのも当然なのかもしれないけれど、「クリスティーン」や「デッドエンド」みたいな終わり方もキングらしくて好きなんですけどね。
 つか、そういう方向のを読みたかったわ。





JUGEMテーマ:読書



* by * 20:50 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【ジョイランド】
ジョイランド (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 売り上げランキング: 2,273


 夏休みに<ジョイランド>でバイトする大学生の話。

 大学にはいって彼女ができて、でもなんかうまくいってなくて…。という悶々が続くのでなんか切なくなる。
 うんうん、10代の終わりから20代の前半って、四六時中こんな感じだったよなって思う。自分が好きな人が、自分が好きなほど好きでいてはくれない、っていうのは本当に切ない。

 それでも人生は続いていくわけで、遊園地というちょっと特殊なバイトを選んだことが、彼をいい方向に導く。
 このあたりって上手いなって思う。人間、ちゃんと働けばお腹がすくし、お腹がすいてご飯食べれは、満たされた気持ちになる。そして、創造的な仕事はやりがいに直結している。

 多分こういうことが人生において一番大事なのだろう。
 
 大事なところを見せておいて、ふいに物語は幽霊譚になる。
 そして、職場への行き帰りに会う、難病の少年とその母親。少年への哀惜が物語を動かす。

 少年がちょっと霊感があるみたいな感じに描かれていたけれど、結局はすべての<愛情>が重なってのことだったように感じた。重なり合ったからこその奇跡で、結末なのだと思う。

 も、涙が…。
 
 最後の1行がしびれるほど、よかった。



JUGEMテーマ:読書



* by * 22:03 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【悪霊の島】
悪霊の島 上 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2016-01-04)売り上げランキング: 154,274

悪霊の島 下 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2016-01-04)売り上げランキング: 53,627



 事故で片腕を失った主人公は、カリブの孤島に移住する。
 絵を描く衝動にとらわれた彼は、少女と船の絵を描く。

 なにはともあれ、事故の様子が死ぬほど怖かった。
 リアルすぎ。キング自身の事故の経験が生きてるんでしょうかね。

 その後、後遺症で人格までが崩壊していくさまが、また切ない。健全な魂は健全な肉体に宿るというけれど、それは反語的意味合いもあるとおもう。
 
 で、前半で十分怖がらせられて、後半にはいったら…。
 なんか、風光明媚なカリブが、って感じなのは一瞬だけでしたね。

 主人公の絵は評判になり、個展をひらくまでになる。
 それは、かつての悲劇を彷彿させる更なる悲劇の幕開けだった。

 零落した名家があり、呪いあり、アクションありで、これぞジェットコースターモダンホラー。
 
 なので、ある程度テンプレート化されている展開ではあるのだけど、それの斜め上を常に全速力で走り抜けるのがキングのすごいところなのだ。
 
 最後のしめかたで、キングも丸くなったのねと思ったのは内緒ww




JUGEMテーマ:読書


* by * 21:28 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【リーシーの物語】
リーシーの物語 上 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2015-02-06)売り上げランキング: 190,459

リーシーの物語 下 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2015-02-06)売り上げランキング: 192,012


 作家だった夫が亡くなり、ようやく遺品整理を始めた妻リーシー。
 遺品の中から、彼女は夫のメッセージを見つける。

 夫の生い立ちや、リーシーの病んでる姉や、夫の遺作を狙ういかれたストーカーなど、物語を彩るものは多いけれど、常に毅然としてあるのはリーシーと夫スコットとの夫婦愛だ。
 もう、ど直球のラブストーリーだと思えるぐらい。
 
 キングらしい、異世界の様や、ストーカーの不気味さも、二人の愛情のスパイスでしかない。
 面白いんだけどね。
 異世界の描写は本当に素晴らしい。文字なのに映像が目に飛び込んでくる感じさえした。

 つまりのところ、愛情というのは<信頼>なんだなと思う。
 お互いがお互いを、それこそ死んでもなお信じ続けている、その強さが美しいのだと思う。

 そう。
 これは、美しい、この上もなく美しい物語なのだ。




JUGEMテーマ:読書


* by * 16:33 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【アンダー・ザ・ドーム】
アンダー・ザ・ドーム 1 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2013-10-10)売り上げランキング: 4,289

アンダー・ザ・ドーム 2 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2013-10-10)売り上げランキング: 6,002

アンダー・ザ・ドーム 3 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2013-11-08)売り上げランキング: 4,758

アンダー・ザ・ドーム 4 (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2013-11-08)売り上げランキング: 4,056


 アメリカの田舎町チェスターズミルは、ある日突然<ドーム>に覆われてしまう。

 <神>の存在について考えてしまった。
 イタリア歌曲によくあるフレーズ「Pieta Signore(神よ憐れみたまえ)」が頭の中をぐるぐるしていた。
 
 ドームに閉じ込められた状況であるのに、人は自分の保身や欲望をとめることができない。正しくあろうとする人もいるけれど、限られた空間の中ではあまりにも無力だった。
 絶対的な危機の前ですら変われない人間であるからこそ、憐れみが必要なのだ。

 そして<神>は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のお釈迦様が落ちていくガンダタを見るように、私たちを見ているのだろう。
 
 希望と絶望とが、共立している物語だった。





JUGEMテーマ:読書


* by * 21:21 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【ビック・ドライバー】
ビッグ・ドライバー (文春文庫)
スティーヴン キング 文藝春秋 (2013-04-10)売り上げランキング: 17,145


 「ビック・ドライバー」と「素晴らしき結婚生活」の2本の短編。
 分冊された「1922」の片割れ。

 「1922」がとことん救いがなかったのに対して、こっちは救いと言えないにしろ、真っ暗ではない。
 が、やっぱ、後味が悪いんだよね。そこがキングたるゆえんなんだろうけど。

 2作とも、帯にあるように「日常が引き裂かれ、」た女性の話になる。彼女たちは「圧倒的恐怖」からもがき立ちあがろうとうする。
 
 と、書くと称賛される行動のように思えるのだが…。

 彼女たちも結局は、怪物、だからなのだろうか。
 そう、善良なおびえる被害者であると見せかけて、彼女たちは決してそうではない。それは彼女たちが行動を起こしたからというわけではない。
 いや、その行動の根底にあるのは強烈な<自己保身>だからなのではないだろうか。

 きっと、同じ話を他の作家が書くと、彼女たちは戦うヒロインとして描かれるのだろう。
 キングだって、一応そんな風に描いている。
 が、それは所詮<エゴ>なのだと、キングはページの向こうでうすら笑ってるそんな気がした。






 にしても、なんで毎度分冊しちゃうんだろうな。
 「ランゴリアーズ」&「図書館警察」はやたらゴツかったので仕方ないなって思ったんだけど、コレと「1922」なら分けなくても、と思うんだが。
 分けない方が原題「FULL DARK,NO STARS」が染みてきたと思うんだけどな。







JUGEMテーマ:読書


* by * 21:13 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
スティーブン・キング【1922】
1922 (文春文庫)
1922 (文春文庫)
posted with amazlet at 13.01.25
スティーヴン キング 文藝春秋 (2013-01-04)売り上げランキング: 3,551


 「1922」と「公平な取引」の2編。

 「1922」は、妻を殺した男の独白なんだけど…。
 「ドロレス・クレイボーン」を思わせるシュチエーションでありながら、全く同情の余地も哀れもない。とにかく醜悪なのだ。男も、殺される妻も、その近隣の人間も、普通に醜悪なのだ。そう、特別な悪意ではなく、特殊な憎悪でもなく、多分普通の範囲を出ないものなのだろう。が、結局、そういうものが自己の営利という方向のみに向かうとここまで醜悪になれるということなのだろう。
 いわばまきこまれる形になる息子には、ちょっとだけ同情する。が、彼も若さゆえの、愛ゆえの暴走、というには自己的なのだ。
 もっとも、あの男と妻との子供なのだから仕方ないのか。

 とことん滅入る物語だった。

 「公平な取引」
 ある日、ある男に取引をもちかけられた運の悪い男。
 最後に大どんでん返しがあるかと思ったら…。が、だからこそ苦い。
 取引によって逆転することになり、どんどん堕ちて行く相手を最後まで傍観している、その冷静さが怖い。良心の呵責とかそういう葛藤が全くないことが、怖い。
 
 とても残酷な物語だった。

 ここんとこなんか救済がある展開になってて、キングも年をとって丸くなったか、って思ってたけど、そうじゃないんだなって。
 キングは、どこまでいってもキングなんですね。


JUGEMテーマ:読書


* by * 22:07 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
ジャック・ケッチャム【ザ・ウーマン 】
ザ・ウーマン (扶桑社ミステリー)
ジャック・ケッチャム ラッキー・マッキー 扶桑社 売り上げランキング: 34,137


 新年1発目がこれか…<苦

 帯に「カリバニズムの衝撃」ってあるけど、その通りです。
 ついでに映画「ザ・ウーマン」の原作だそうですよ。

 かつてだと、善良な市民がわけのわからない怪物に襲われてっていうのだったんだろうけど、最近のは被害者(?)もねじくれててむしろそれっちの方が怖い。

 うん、モンスターはモンスターとしての存在理由があって、モンスターとしてそこにあるんだけど、善良な市民の顔を持ちながらその奥底にっていうのが、とことん黒くて怖かったですよ。

 それも、じわっと怖い。
 え、それは、そんな反応って、おかしくない? それは、違うよ、ってそういう違和感が積み重なって…。

 なんで、結局そーいうことなんだってなった時は、へんなカタルシスがありましたよ。

 ってこれがケッチャムの職人技なんだろうな。
 うん。

 ケッチャムの文体は、ブロックに比べると荒削りって感じがするんだけど、そのざらっとした感触が面白くて美味いと思います。









JUGEMテーマ:読書


* by * 19:45 * ホラー(翻訳) * comments(0) * trackbacks(0) *
***
Google




芭蕉を偲びて ←いちおしです。
friends
**Ciel Bleu**
最強読書サイトです。

にほんブログ村 本ブログへ



Search
Material by web*citron
* TOP * >>
New Entry
Recent Trackback
Recent Comment
Link
Category
Archive
Calendar
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>
Profile
Others

* TOP * >>